違法トラップ13個確認

瀬戸内署員も参加して希少動植物の盗掘・盗採防止夜間合同パトロールを実施(提供写真)

樹上に吊り下げられた昆虫捕獲目的とみられるトラップ(提供写真)

国立公園内で発見
盗掘・盗採防止夜間合同パト

 環境省奄美群島国立公園管理事務所と奄美大島自然保護協議会などは13日夜、瀬戸内町の林道で希少種盗掘・盗採防止夜間合同パトロールを行った。不審車両や人物などに警戒して巡回し、工作物設置に許可を要する国立公園の第2種特別地域内で無許可の昆虫トラップを発見した。同事務所と同協議会は関係機関と連携し監視の目を強化、盗掘・盗採などの違法行為の未然防止に努める。

 奄美大島では希少種の盗掘・盗採が相次いでおり、こうした状況を受けて同事務所と同協議会は夏休期間中の監視を強化するため夜間合同パトロールを決定。昨年度合同パトロールに参加した警察署が、今年度も同行して監視強化に協力する。

 この日は同事務所2人、同協議会2人、瀬戸内町希少野生動植物保護推進委員3人、瀬戸内警察署員2人合わせて9人が、網野子トンネルの奄美市側入口駐車場に集合。パトロール内容や行程を確認して、同町の林道に移動して巡回した。

 参加者は約3時間のパトロールを行い不審者や不審車両は発見されなかったが、奄美群島国立公園の第2種特別地域内で無許可の昆虫トラップを複数発見した。14日に同事務所県大島支庁総務企画課と同署が、現地でストッキングに果物が入れられた13個のトラップを確認したという。

 国立公園の第2種特別地域では工作物の設置は大島支庁の許可が必要となり、発見されたトラップは違法として自然公園法違反の容疑で同署が詳細を捜査している。

 同事務所の千葉康人世界自然遺産調整専門官は「警察署とパトロールして違法トラップが発見され、早期に捜査してもらいありがたい。今後も関係機関などと連携してパトロールで、監視の目を強化していきたい」と語った。