島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」

島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」

昼公演でメインキャストを演じる小学生ら=知名町=

歌とダンスで観客を魅了するメンバーら=知名町=

子ども達が熱演 歌やダンスで観客魅了

 【沖永良部】島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」(知名町教育委員会主催)が18日、知名町あしびの郷・ちなであった。昼公演では小学生、夜は中高生らがメインキャストを熱演。躍動感あふれる歌やダンスで、約900人の観客を魅了した。

 同ミュージカルは、2010~12年までに3回上演されたのち、活動を休止。昨年、6年ぶりに復活し、今回で通算5回目の公演となる。

 島の高校生ユリとその親友リリィのルーツを知るストーリーで、昔の沖永良部島と海を越えたカナダを舞台にユリの曾祖母ナミと外国人アイザックの恋を描く。

 島の特産品「エラブユリ」が世界に広まったエピソードを題材に、鹿児島県志布志市出身の松永太郎さん(45)が、脚本・音楽・演出を手掛けた。公演に向け、メンバーの個性に合わせて前回の脚本を直したほか、劇中歌にも新曲を加えた。

 小学3年から高校3年までの28人と昨年出演したメンバー5人も客演・アンサンブルとして参加。満席となった昼の部では、小学生メンバーが大人の役に挑戦し、ナミとアイザックの恋愛を感情たっぷりに演じた。

 昼公演でアイザック役を担当した下平川小6年の福山玄太さん(12)は「みんなが協力してくれたおかげで演じ切れた。このミュージカルを見て多くの人が沖永良部島を好きになって欲しい」と話した。知名小4年でナミ役の益山こはるさん(10)は「大きな役だったので緊張した。1年間頑張ってきた成果を全部出せた」と笑顔を見せた。

 演出などを手掛けた松永さんは「今回初めて小学生をメインキャストに起用した。最初は不安だったが、稽古を重ねていくうちに予想をはるかに超える演技を見せてくれた。小学生のメンバーが高校生になったらどうなるのか今から楽しみ」と語った。

 夜公演も満席で、メインキャストを演じた中高生メンバーの演技に観客から大きな拍手が上がった。