奄美出身歌手が主題歌

劇中歌(主題歌)を担当した奄美出身の榮百々代さん


ヒットを願うスタッフら。左が武田倫和監督、右が牧健二さん

映画「破天荒ボクサー」横浜でも公開

 【東京】奄美出身の榮百々代さんが劇中歌(主題歌)の作曲と唄を担当、昨年製作された映画「破天荒ボクサー」(武田倫和監督)が、同年末の映画祭で見事準グランプリに。映画はその後、大阪、名古屋、そして東京でも7月に公開された。映画は、さらに9月から横浜でも上映されることになった。奄美の歌声が映画の受賞、全国公開を後押ししている。

 映画は、大阪帝拳に所属していたボクサー・山口賢一さんの姿を追ったもの。山口さんは、11連勝の実績を残しながらもタイトルマッチの機会を得られなかったことから、日本ボクシングコミッションに引退届を提出、自らマッチメークして戦いの場を海外に求めていく。日本のボクシング界の暗部に鋭く切り込んだ社会派ドキュメンタリーだ。リングに懸ける出演者と、スタッフの情熱がスクリーンから伝わり、映画は昨年末に東京ドキュメンタリー映画祭2018で準グランプリに輝いている。

 百々代さんは、シマ唄の師匠であると同時に大阪市都島区で、居酒屋「奄美沖縄料理・美ら島真心」を切り盛りしている。同店の相談役・牧健二さんが大阪天神ジムフィットネス&ボクシングの総括後援会会長を務めている縁で、彼女に白羽の矢が立った。

 百々代さん自身も健康のため同ジムで汗を流しており「選手の気持ちも少しは分かっているつもり。三味線、シマ唄を基にサムライの魂も込めました。多くの方々に見てもらい、歌も聴いてもらいたいですね」。シマ唄にルーツを持つ主題歌が届けられるよう、笑顔で語っている。

 武田監督は、「山口賢一とも親交の深い、榮百々代さんには、テーマソングを作っていただきたいと撮影する当初からお願いして『世界はすぐそこに』という、最高の主題歌を作ってもらいました。みなさん、ぜひとも劇場に聴きに来てください」と呼び掛けている。主題歌は映画を盛り上げているとの声も聞かれている。映画「破天荒ボクサー」は、横浜シネマリンで9月7日(土)から20日(金)まで上映される。