身分確認・記録作成徹底へ

身分確認・記録作成徹底へ

奄美大島のガソリンスタンドで依頼文を手渡し、ガソリンの詰め替え販売の際の身分・使用目的確認を呼び掛けた大島地区消防組合名瀬消防署の職員

ガソリン詰め替え販売
京アニ事件受け 大島地区消防組合 給油取扱所に協力要請

 消防庁は先月25日、「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件(京アニ事件)の発生を受け、給油取扱所でのガソリンの容器への詰め替え販売の際に、購入者の身分確認・販売記録を作成させることなどを、石油連盟など業界団体と全国の消防署に通達した。大島地区消防組合(野崎浩敏消防長)は今月26日から管内給油取扱所を訪問し、協力を要請している。

 京アニ事件は7月18日に発生。青葉真司容疑者が同スタジオに侵入し、ガソリンをまき放火。これまでに35人が死亡。事件の際使用されたガソリンは携行缶への詰め替え販売により入手したものだった。

 事件を受け、これまで通りの消防法令適合容器使用などの法令順守の徹底を呼び掛け。このほか、購入者に対する身分、使用目的の確認と販売記録の作成などを事業者に要請した。

 大島地区消防組合では26日から管内すべての給油取扱所(自社用除く65)の訪問を開始し、今月中に協力を依頼する予定。署員が一軒一軒を回り、依頼文のほか、「よくある質問」を示した質疑応答集とガソリン販売顧客情報記録簿を手渡す作業を続けている。

 28日に依頼を受けた奄美市名瀬の㈲有馬朝仁給油所の有馬保子代表取締役は「詰め替え販売は1日に1~2件ある。悲惨な火災のことをみんな知っているので、協力してもらえると思う」。同消防組合は「ガソリン購入は煩わしくなるが、二度とあのような凄惨な事件をなくすために協力してもらいたい。ガソリンは少量でも爆発的な事故になる。購入者には販売店の説明を順守した取り扱いをお願いしたい」としている。