金作原こどもエコツアー、初開催

金作原こどもエコツアー、初開催

巨大な板根を持つオキナワウラジロガシを観察する参加者ら

「自然に親近感持って」
奄美大島エコツアーガイド協 自然遺産の啓もうに

 奄美群島認定エコツアーガイドとともに奄美市名瀬の金作原を散策する「金作原こどもエコツアー」(奄美大島エコツアーガイド連絡協議会主催)が28日あった。小学校高学年から高校生までの27人が参加。認定ガイド6人の案内のもと、奄美大島特有の植生、鳥・昆虫の声を楽しみながら、世界自然遺産への機運を高めた。

 金作原は奄美大島固有の動植物が生息する亜熱帯の森。県自然保護課やガイド関係団体などからなる「奄美大島利用適正化連絡会議」は今年2月から入域に際し認定ガイドの同行を求める利用ルールを試行。同協会によるこども向けのエコツアーは今回が初めてで、同連絡協の喜島浩介会長は「子ども達への世界自然遺産に対する啓蒙として実施した。認定ガイド同行のルールのために、行きたくても行けない子もいるのではないかと思い、何かをすべきと考えた。奄美の自然に親近感をもってもらえれば」と開催理由を話す。

 この日は奄美市名瀬のAiAiひろばからバスと認定ガイドの車を乗り継ぎ、金作原国有林のゲート前に行き、6グループに分かれ徒歩で出発。ゲートのすぐそばを秋の風物詩・ハシカンボクの薄紅の小花が彩る涼しげな林道を散策した。

 ゲートからオキナワウラジロガシの巨木が見られるポイントまでの往復2㌔の道のりを歩きながら、クワズイモやオオタニワタリなどの植物を見学。「ヒカゲヘゴは日光を求めて伸びていく」などの認定ガイドの説明を自身の目で確認した。

 奄美の森の成り立ちや、人間が動植物に与えるストレスを防ぐための利用ルールによる規制などについても学習。遠くから聞こえるオオシマゼミやアカショウビンなどの声に耳をすませ、興味を抱く参加者らの姿も見られた。

 この日初めて金作原に訪れた伊津部小5年の孫田龍くんは「セミや野鳥の声が聞こえて楽しかった。植物に関する知識もたくさん学べたので、また金作原に行きたい」。今年4月に滋賀県から古仁屋高校に入学した1年生の志摩那波さんは「生えている植物や、空気が滋賀と違いとても新鮮だった。人に自然の魅力を伝える仕事に興味が出た」と話した。