バニラ・成田便 奄美ラストフライト

バニラ社としてのラストフライトを見送るスタッフ(奄美空港、31日午後2時ごろ)

見送りセレモニーに出席したバニラ関係者(右から、山室元副社長、石井元会長、竹内取締役、五島元社長)

搭乗総数延べ55万人
「5年間、ありがとう」

 格安航空会社(LCC)バニラ・エア(井上慎一代表取締役社長、千葉県成田市)の奄美大島―東京(成田空港)線が31日、最後の運航を迎えた。最終便となるこの日は成田発158人、奄美発174人が搭乗。同社就航機の奄美でのラストフライトに、奄美大島島内の行政や観光業界の関係者が見送った。

 同路線は奄美初のLCCとして参入。2014年7月から1日1往復で運航した。最終日までの総運航便数は3781便、総提供座席数は約68万席で、搭乗者総数は延べ約55万人となった。

 同社は現在、LCCピーチ・アビエーション社との統合に伴う路線改編が進められており、奄美大島では大阪(関空)線が5月上旬に休止。東京線はそれに続くものだ。

 奄美群島の観光交流拡大につながったLCC路線の功績を踏まえ、空港ロビーでは見送りセレモニーが開かれた。島内の行政や観光、商工会など各種団体が出席。バニラ社からは竹内健取締役のほか、奄美就航時の元役員も駆けつけた。

 奄美群島広域事務組合の朝山毅管理者は近年の関東、関西からの入込増に触れ、「出身者の帰省だけでなく、若い世代など幅広い層の観光を促進させた就航効果は大きい」とあいさつ。

 一社・あまみ大島観光物産連盟の有村修一会長は「地域経済の発展や観光PRを後押しした“バニラ効果”に感謝。5年間、ありがっさまりょーた(ありがとう)」と述べ、路線移管先のピーチ社にLCC効果の継続を期待した。

 それを受け、石井知祥・元バニラ代表取締役会長は「就航中は地元から多くの支援と理解を得られ、うれしく思う。今後も奄美でにぎわいが続くことを願っている」と語った。

 この日、成田行き上り便はほぼ満席。同社スタッフが搭乗客に特製ファイルとキーチェーン入り記念セットを手渡した。

 家族とともに帰省していた奄美市住用町出身の師玉茂登さん(39)は最後のフライトで帰京。「料金の安いLCCを何度も利用してきた。利用者側にとって選択肢があることが大事なので再開を待ちわびたい」と話した

 空港の送迎デッキでは観光関係者が横断幕を掲げ、バニラブランドの最終便を一目見ようと一般客も詰め掛け。エプロンでスタッフが手を振って見送る中、同機は定刻(午後1時55分)通り、成田に飛び立った。

 バニラ社は10月26日をもって全路線の運航を終了。奄美を結んでいた東京線は10月1日から、大阪線は12月26日から、それぞれピーチブランドで就航することが決定している。