島民劇「この町で~井之川 夏物語り」

島民劇「この町で~井之川 夏物語り」

島民劇『この町で~井之川 夏物語り』公演に向け情熱を燃やす役者たち=4日夜、徳之島町文化会館

島民がオールキャスト
徳之島町文化会館25周年

 【徳之島】徳之島町文化会館(椛山幸栄館長)25周年事業で3月から舞台稽古が始まった島民劇『この町で~井之川 夏物語り』。家族愛と夫婦愛に、島の伝統芸能文化を織り交ぜた原作・脚本・演出、役者もオール島民で構成しているのが特徴。心を一つに来月27日の本番(昼夜2回公演)に向けての合わせ稽古も熱をおびている。

 同会館の島民劇企画は2009年の「北緯29度線」、14年の「島の夫婦」公演いらい5年ぶりの第3弾。前回までは劇団道化(福岡県)などのプロの脚本・演出家を指導者に招へいしていた。今回はこれまでの経験をもとに、実島一仁副館長が原作を提案、脚本・演出は職員の大樂大聞=おおらくだいもん=さんが担当している。

 一般公募した役者(15歳~70代)は元劇団員など経験者3人以外は全員が初挑戦。井之川夏目踊り保存会や井之川歌声の集い、徳之島混声合唱団、徳之島高校音楽部など団体を含む出演者は総勢約100人を予定している。

 ストーリーは同町井之川集落が舞台。「平凡で穏やかな毎日を送っていた福山家が、夏の伝統行事『浜下(う)り』の日に数年ぶり帰省した長女の婚約疑惑によって家中が大騒ぎに。そして祖母を突然奪う病などで日常が変わり始める」。家族愛・夫婦愛を通した喜怒哀楽など「島ならでは舞台」を目指している。

 母親役のヒロインの福澄亜紀子さん(35)=天城町出身=は東京で劇団員の経験があったことから「裏方のスタッフのつもりで応募。過去の島民劇の動画)を見て、また演じてみたいと思った。一番苦労しているが、家族の温かさを伝えたい。初めて現地で見た夏目踊りにも感動しました。島の人たちだけでこれだけのエンターテイメントが作れることも伝えたい」。

 前売り券(1人千円予定)発売は10月5日を予定している。