夏の夢探しin首都圏~徳之島町・中高生の初インターンシップを追う ④

カンロ㈱の会議室で集合写真

 

照明器具の重さを実体験

 

「昼サテスタジオ」で気象原稿を読むアナウンサー体験

 
 
「何をやりたいかが大事」
カンロ、テレ東など訪問

 

 【東京】続く三日目の21日は、作城係長の同級生・入江由布子課長も勤める「カンロ飴」や「ピュレグミ」などでなじみ深い食品メーカー・カンロ㈱。場所は新宿駅から一つ目の初台に建つオペラシティー37階。一行は新国立競技場、東京スカイツリーが見渡せる会議室へ通された。カンロ飴のカンロは「甘露のことで天から降る甘い露のこと」と経営企画部の木村恵子主任が説明。同社は山口県光市が発祥の地で工場があり、本社は東京などと紹介、新商品を作るまでの多くのステップ、商品説明を行った。

 また、実際に商品づくりを行っている商品企画部の中西里奈さんからも説明を聞いた。中西さんは食べることが好きで同社に入社。年間100品ほどの企画から3、4個が商品化され生産ラインに乗ると説明。今は来年春物の商品の企画をしていることを語った。中高生から「自分の商品が並んでいるとどうですか?」とたずねられ、「私が作ったんですと思わず言いたくなりますね」と笑顔で答えた。就職について「いずれの仕事につくにも、自分が何をやりたいかが大事です」と語った。

 ここで中高生は昼食の弁当を手に新宿駅から湘南新宿ラインで横浜へ。ところが記者が案内を間違って池袋へ。中高生たちは、あわてて乗り換えて再び横浜へ。(ごめんなさい)。車内であわただしく昼食をとる羽目になった。

 昼食後に制服からジャージに着替えて、この日の職場体験と見学を行う横浜市の野毛山動物園へ移動。動物とふれあうことのできる、なかよし広場でモルモットの体を洗う体験などや園内の動物見学を行った。

 中高生たちは再び制服に着替え、この日も新宿に戻り、予備校と塾で勉強ざんまいとなった。

 事業四日目の翌22日は、東京都港区六本木の㈱テレビ東京へ。通称テレ東は、次世代育成を行う校外学習が文部科学省の主催する「2018年度青少年の体験活動推進企業表彰」で最高位の文部科学大臣賞を受賞している会社。

 中高生たちにはそれぞれにバナナペーパーでできた名刺が入った入館証が、総務部で校外学習を担当している齋藤紀子さんから手渡され、同じく校外学習担当の内藤裕一さんから会社の説明を受けた。二人は遠く徳之島から訪れた中高生に感謝し、まずはテレ東の入る六本木グランドタワービルを出て43階の高さを実感させた。

 地下に駐車場、1階に第1スタジオ・第2スタジオ、3階に楽屋があり、番組製作の心臓部サブコントロールルームへ案内。モニターがずらり並ぶ部屋に中高生らは驚きの声。映像と音声を操るスイッチャーやミキサーの体験をしたり、音が作られる仕組みなどを見学した。

 続いて国内で初めて全てのスタジオをオールLED化した本社スタジオのうち、最も広い第1スタジオへ移動。体育館の2倍はありそうなスタジオには平台や箱馬などの大道具が並び、床のタイルは尺貫法で作られていることを紹介。大がかりな照明が天井から降ろされ、実際に照明技術の担当者が重さや器具が熱くならないことなどを説明した。いつもは照明技術の説明も内藤さん達が行っているが、今回は遠い所から訪問しているので、特別に説明に入ってくれたそうだ。実にありがたいことだった。

 続く移動は生放送が行われる直前のスタジオへ。「昼サテ」の前田真理子アナウンサーが入室する前に、全員がテレビの前でアナウンサー体験。ピンマイクをしてメイクをしてもらう前田アナウンサーのスタジオからオンエアのスタジオへ。実際に番組の生放送を見た。内藤さんは「番組の裏側ではみんなが緊張感を持って仕事をしている。それぞれが自分の役割を着実に果たすことで、放送が成り立っている」と説明、それから報道編集の広い部屋へ向かう。

 この日は午前10時からスタジオを走り回り、社員食堂でお昼をごちそうになり、12㌔のハンディカメラを肩にカメラマン、カメラに向かって原稿を読む報道記者と番組製作の模擬体験までさせてもらい、あっという間の3時間だった。