空きキャパシティ調査報告

鎌田町長に空きキャパシティ調査の報告書を手渡した福山市立大根本研究室の学生ら(提供写真)

非住家9割が活用可状態
福山市立・研究室 瀬戸内町に

 瀬戸内町と地域振興に関する覚書を交わしている福山市立大学(広島県)の都市経営学部・根本修平講師の研究室は9日、同町役場を訪れ2018年度から継続して実施してきた「空きキャパシティ調査」の結果を鎌田愛人町長に報告した。調査した非住家527事例のうち、すぐに利用できるもの・庭や建物の現状を改善することで利活用できる事例が486事例と、全体の9割近くに上ることがわかった。

 同研究室は18年7月以降、町・県大島支庁瀬戸内事務所と3機関合同で空きキャパシティ調査を計3回実施。町・同事務所が協働で進める「チームせとうち“我が事・丸ごと”支え愛事業」の一環で、空き家などの戸数・状態を調べ、活用を検討することが目的。同町での利活用を前提とした空き施設の調査は今回が初めてだった。

 調査は請島・与路島も含む町内全集落の671事例を対象に実施。目視やヒアリングで状態を把握し、それぞれ事例ごとに調査票を作成。建物外観・外部管理実態・利活用可能性を総合的に分析した。

 512事例の非住家のうち、外観に関しては459事例(87・1%)がすぐに活用可もしくは、軽度の補修のみで活用可。また、全体の約75%にあたる399事例が日常的もしくは・定期的に管理されている状態にあったという。

 9日は同研究室の学生13人・根本講師が瀬戸内町役場を訪れ、代表学生2人が鎌田町長に調査結果の報告書を手渡した。町は「空き家は財産。生かすことができれば集落の収入などにつながる」。データの活用については「我が事・丸ごとの住まい部会を中心に検討したい」としている。

 同研究室は今後、町内の空き公共施設・空き店舗の調査を行う予定という。