殺人容疑で男再逮捕

コンビニ強盗未遂罪で送検される渡部容疑者=7月1日、奄美署=


県警本部で容疑者逮捕会見を行う有馬刑事部長

コンビニ強盗未遂罪起訴、容疑を否認
小俣町女性殺人事件

 奄美市名瀬小俣町の無職・瀧田得枝さん(当時87歳)が自宅で殺害された事件で県警は11日、近くに住む同町の無職・渡部=わたべ=円治容疑者(21)を殺人の容疑で再逮捕した。渡部容疑者は現在、同石橋町のコンビニエンスストア「島人mart石橋店」に押し入り刃物で店員を脅したとして強盗未遂の罪で起訴され拘留中。渡部容疑者は今回の事件に対し「そのようなことはやっていません」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は、6月12日午後6時ごろから同16日午後8時25分までの間、同町で一人暮らしの瀧田さんの自宅に侵入し、刃物の様なもので腹部などを数カ所刺すなどして殺害した疑い。現場周辺の聞き込みや防犯カメラの解析を積み重ねた結果、疑いが強まったとして逮捕した。

 県警は事件発覚後、6月18日に奄美署に捜査本部を設置。1日50~100人が捜査にあたり、期間中延べ4500人を投入。設置から88日目での逮捕となった。

 渡部容疑者と瀧田さんの自宅は直線で100㍍ほどの距離。渡部容疑者は調べに対し、「(瀧田さんのことは)全く知らないし、家に行ったこともない」と容疑を否認。県警は、捜査上に支障があるとの理由から詳しい事情は明らかにしていないが、瀧田さんとの接点も含め、殺害の動機などを調べている。

 事件は6月16日午後8時ごろ、瀧田さんと連絡が取れないために安否確認に訪れた親族が、寝室で血を流し倒れている瀧田さんを発見し発覚。死因は出血性ショックだった。

 県警の有馬晋作刑事部長は会見で「きわめて凶悪、残忍な犯行で、地域の人たちが不安な気持ちになったが、多くの協力で被疑者の逮捕に至った。今後さらに捜査を進めて事件の全容解明に努めたい」と報告。瀧田さんの親族からは県警を通じて「母が殺されたことが非常に悔しく悲しい。犯人にはどうしてこのようなことをしたのか、正直に話して欲しい。その後は厳しく罰して欲しい」とのコメントを発表した。

 渡部容疑者は12日に鹿児島地検に送検される。

 なお渡部容疑者は現在、コンビニでの強盗未遂罪で起訴され、公判中。公判では「金がなくなり、支払いもたまっており、まとまった金が欲しくてやった」などと大筋で起訴内容を認めている。