バニラ実績 奄美路線

バニラ乗降客数推移

バニラブランドとして奄美の最終便を前に関係者が別れを惜しんだ(8月31日撮影)

延べ成田55万人・関西19万人
ピーチへ引継ぎ着々

 格安航空会社(LCC)バニラ・エア(井上慎一代表取締役社長、千葉県成田市)は10月26日、全運航を終了し、関西空港を拠点とするLCCピーチ・アビエーション社に統合される。バニラ社の奄美路線実績=奄美空港管理事務所まとめ=によると、奄美大島を結ぶ東京(成田)線は延べ55万2314人、同じく大阪(関西)線は延べ19万7471人が搭乗。東京直行便の就航開始から5年が過ぎ、約75万人が利用したバニラブランドが幕を閉じる。

 同社は奄美初のLCCとして2014年7月1日、奄美大島―成田直行便を1日1往復で就航。東京路線の搭乗者数は初年度5万1280人。その後は年間10万人ペースで推移し、運航最終となった今年8月31日までの19年搭乗者数は7万431人。総提供座席数は約68万席に上り、搭乗率は8割超となった。

 関西圏の奄美出身者から要望が高かった大阪線は17年3月26日に就航スタート。運航最終となった今年は、5月6日まで搭乗客数は3万5615人だったが、初年度以降で増加傾向。2年2カ月間の総提供座席数は26万640席で、搭乗率は7割後半を堅持した。

 その両路線を引き継ぐピーチ社は、バニラ社と同じANAホールディングスが出資する国内LCC。統合後、全路線はピーチブランドで展開され、奄美関係では東京線は10月1日から、大阪線は12月26日からの就航を計画。

 現在、奄美空港カウンターのリニューアルやスタッフの業務確認などが進められており、「10月からのスタートに向け、業務の引き継ぎは順調」(同社広報)とした。