県議会代表質問

「中小、小規模事業者の活用を」
ポイント還元制度加盟店登録、奄美は259店
宇検村特養投票偽造「誠に遺憾」

 9月定例県議会は17日、引き続き代表質問があり、県民連合の前野義春議員=鹿屋市・垂水市区=、公明党の松田浩孝議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。来月からの消費税10%引き上げに伴う県内景気対策では、キャッシュレス決済のポイント還元制度の取り組みなど現状が説明され、県内の消費活性化へ中小、小規模事業者の同制度活用が呼び掛けられた。

 消費税引き上げに伴う景気対策は平木万也総務部長が答弁。2・3兆円の予算を確保しての国の施策では、消費喚起対策として▽キャッシュレス決済のポイント還元▽低所得・子育て世帯向けのプレミアム付き商品券発行(期間限定で実施)▽需要変動の平準化の観点から、税制上の処置として住宅ローンの拡充、自動車の取得時・保有時の税負担の軽減化―などがあり、平木部長は「県ではこうした制度に関する説明会開催やリーフレット配布等で周知を図っている。プレミアム商品券事業に関しては現在、市町村において10月以降、商品券が使用できるよう準備を進めている」と述べた。

 ポイント還元制度加盟店登録の現状は、五田嘉博商工労働水産部長が答弁。それによると今月5日現在で7381店が申請し、うち審査を経て登録されたのは今月2日時点で3087店となっている。この登録店で奄美の状況は、商工政策課によると259店(奄美市・大島郡の登録店舗数)。五田部長は「消費税率引き上げに伴う国の主要な景気対策の一つとなっていることから、県内の消費活性化を図るためには中小、小規模事業者に、この制度を活用していただきたい」と述べた。なお、加盟店登録の申請期間は来年4月までとなっている。

 7月にあった参院選挙に関する質問では、宇検村の特別養護老人ホーム「虹の園」で投票偽造により複数の逮捕者(施設長は起訴)が出た問題が取り上げられた。病院や福祉施設における不在者投票について選挙管理委員会の松下良成委員長は「投票の透明性を高め不正投票を防止するため不在者投票等管理者に対して、市町村の選管が選定した立会人(外部立会人)の立ち会いを積極的に進めるよう文書や説明会などを通じて要請している」と述べた上で、今回の投票偽造について「誠に遺憾。施設等の入所者の投票機会を確保し、投票を公正に実施することが重要。指定施設等における説明会開催で引き続き外部立会人の立ち会いを要請するほか、これまで発生した管理執行上問題となった事例等を紹介するなどして不在者投票の公正な実施に努めたい」と述べた。

 児童虐待防止対策に関する質問もあり、吉見昭文子育て・高齢者支援総括監が答弁。全乳児を対象とした新生児訪問指導、若年期妊娠や経済的困窮等により虐待等のリスクを抱える家庭について市町村保健師などによる養育支援訪問などの取り組みを挙げ、「情報を関係部署で共有し、連携して育児支援や虐待の予防に努めたい」。

 今回の改正児童福祉法では、児童相談所の体制強化を図るため▽児童福祉司の配置標準に人口当たりの配置数の変更▽市町村支援業務および里親養育支援を行う新たな児童福祉司の配置―が盛り込まれたほか、児相の介入機能と支援機能の分離に関する規定が追加された。これに関する県の取り組みについて吉見総括監は「22年4月1日施行の新たな配置標準等を踏まえて児童福祉司の増員について検討したい。介入と支援機能の分離は20年4月1日施行となっており、どのような組織体制にするか現在検討中」と述べた。

 障がい者雇用で、雇用経験のない企業の雇用に向けた県の取り組みに関する質問もあった。約4割の企業が法定雇用を達成しておらず、うち約6割の企業が障がい者雇用を行っていない。五田商工労働水産部長は「障がい者雇用を経験していない企業において短期の雇用体験を実施するとともに、事業主と障がい者の不安解消を図り、その後の雇用への移行を促進している。また、障がい者雇用促進では就業開拓支援員による求人開拓や面接会等を実施している」と述べた。

 19日から一般質問に入る。