明生(瀬戸内町出身)インタビュー

明生(瀬戸内町出身)インタビュー

秋場所の振り返り、来場所への抱負など記者らの質問に答えた明生(25日、瀬戸内町役場応接室)

10勝してなお「悔しい」 三賞、勝ち越しに向け稽古
子ども達にメッセージ「まず相撲を楽しんで」

 大相撲秋場所(8~22日、両国国技館)は混戦を極め、終盤まで優勝の行方がわからず、お茶の間を沸かせた。11日目までを2敗で抑え、優勝争いに食い込んだのが24歳の若き期待の星・明生(瀬戸内町出身)。10勝5敗の好成績を残し、今後の飛躍が期待される明生に秋場所の振り返りと来場所への抱負などを聞いた。

 秋場所の成績をどうとらえているか。二桁勝利の感想は。

 十番勝ったのも、五番負けたのも経験だと思うが、自分の感想としては悔しい。10勝はすごいことだが、場所前に今場所の目標を十一番と立てていたので、悔しいという思いが少し残っている。

 名古屋場所(7月)と比べ、自身の中で変わったと思うことはあるか。

 横綱戦や、結びを経験したので、それなりに自信がつき、責められても落ち着いて対応できた。ここでは負けられないという思いで今場所やってきた。

 自身の力が出し切れなかった取組はあったか。

 負けた取組は全部悔しいが、自分の力が出し切れなかったのは松鳳山戦(13日目)。自分の精神力の弱さが出たというか、立ち会いが合わずすごくイライラしてしまった。そういうところですごく自分の精神面が弱いなと思った。

 優勝争いを意識したタイミングなどはあったか。

 意識してしまったのは隠岐の海戦。その一番だけ、トップ争いを意識してしまった。力が入っていたとは思っていなかったが、終わってから自分の相撲を確認すると、足などが動いていなかった。それ以降3連敗となり、優勝もなくなってしまった。でも最後(千秋楽)で良い相撲を見せ、来場所につなげようと思った。(千秋楽は格上の朝乃山に対し寄り切りで白星)

 奄美群島全体から応援があったと思うが、その応援に対して思う気持ちはあるか。

 場所の途中から島の人が盛り上がっているというのは耳に入っていた。優勝してみんなを元気づけ、盛り上げたいと思ったが、優勝できなかった。

 奄美で相撲を頑張っている子どもたちへのメッセージをひと言。

 一番はまず相撲を楽しんでもらうこと。楽しくなかったらやりたくなくなってしまう。頑張ったら絶対に良いことがあると思ってほしい。

 来場所(11月・九州場所)への抱負を。

 ずっと目標としていて、今回も取れなかった三賞をまずは取りたい。三賞を取るためには相撲内容も、絶対に勝ち越さなければ取れないので、そこを目標にまた稽古していこうと思う。
 (聞き手・西田元気)

メモ

 明生力(めいせい・ちから)。本名・川畑明生。瀬戸内町出身。場所中、部屋と国技館の間を電車移動していることが話題になったが、本人は「そろそろ電車はやめたい」。24歳。