秋の風物詩・〝タカ柱〟探す

秋の風物詩・〝タカ柱〟探す

常田さんに双眼鏡の使い方を学び、観察の準備をする子ども達

 

突如現れた約70羽からなるタカ柱

 

「自然の魅力、自分で探して」
崎原小中 アカハラダカの渡り観察会

 

 奄美市名瀬の崎原小中学校(長﨑克則校長)は26日、同市の名瀬クリーンセンター付近の高台で、アカハラダカの渡り観察会を開いた。全校児童8人と教職員らが参加。唐突に現れる秋の風物詩・タカ柱”を探し、双眼鏡などで観察。約1時間で200羽ほどを観察した。

 アカハラダカは体長30㌢程度の小型のタカ。繁殖地の中国・朝鮮半島から越冬のために東南アジアに移動する。国内では長崎県や鹿児島県本土(薩摩半島)、奄美群島や沖縄県を通過する。奄美大島では例年9月ごろに渡る様子が見られる。

 渡りの際、一斉に上昇気流に乗り、渦を巻きながら空高くに舞い上がりタカ柱を形成。その後滑空することで使う体力を抑えるという。

 同校の観察会は子ども達の自然や生きものを大切にする気持ちを育むために毎年実施。今年は19日に予定されていたが、悪天候により延期されていた。

 この日の天候は、上昇気流が発生しにくい曇り。講師を務めた奄美自然研究会代表の常田守さんは「きょうは見られないかもしれないが、それもまた自然だから」とした上で、アカハラダカの生態や双眼鏡の使い方をレクチャーした。

 雲の隙間から青空が顔をのぞかせるタイミングで、約70羽からなるタカ柱が突如出現。子ども達は歓声を上げながら懸命に双眼鏡をのぞき、その姿を確認。「今何時何分ですか?」と聞きながらワークシートに観察時間も記入した。

 毎年参加している4年生の保枝志琉くんは「毎年見ているが、今年は少しだけ少なかった。ルリカケスなどほかの鳥も見られて良かった」。初参加の3年生・森田光南くんは「バラバラだったが群れていてすごかった。鳥には興味がなかったが、常田さんの話を聞いて好きになった」と語った。