再発防止対策検討委、父親が出席

要田教育長から委員の委嘱状を受け取る父親

「市教委の主体的検証公表を」
奄美市中1自殺問題

 奄美市の中学1年の男子生徒=当時(13)=が2015年に自殺した問題で、市教委が設置した「再発防止対策検討委員会」(委員長=假屋園昭彦鹿児島大教授)は27日、同市役所で第3回会合を開いた。遺族と同問題を調査した第三者委員会のメンバーが新たに委員に加わり、遺族の父親に要田憲雄教育長が委嘱状を手渡した。

 新たに委員に加わったのは、父親と第三者委で副委員長を務めた栁優香弁護士。栁弁護士は欠席した。

 委員会では冒頭、要田教育長が「皆さんにきたんのない意見を出していただき、学校が使いやすい提言がまとめられることをお願いしたい」などとあいさつ。協議については非公開で行われた。

 假屋園委員長によると、会合では父親から遺族代理人である弁護士の同席を求める提案があったが、出席した他の全委員(7人)から同席の必要はない旨の意見があり、認められなかった。

 このほか、市教委が市内の全中学校に行った生徒指導体制に関するアンケート結果と市内の小中学校教諭の第三者委の報告書に対する意見などの報告があり、次回会合を12月3日に行うことを決めた。

 終了後、取材に応じた父親は、「これまで、ずっとどのような議論がされているのか、知ることができなかったが、やっと議論に加わることができて良かった。委員のみなさんは、それぞれの立場でしっかりと議論していることも知ることができた」と話した。

 今後の委員会の協議については、第三者委の調査報告で、自殺の原因などについて、市教委が主体的な検証を実施し公表するよう提言していることに触れ、「市教委は委員会に検証内容を示してもらいたい。そうでなければ、中身のある議論はできない」と語った。

 また、第三者委の調査報告に対する教諭らの意見について、「しっかりと問題意識を持っている教員も多くいることを知ることができてよかった」などと話し、「遺族として、二度と同じ過ちが起きないよう、しっかりと向き合って意見を述べていきたい」と委員に加わったことへの思いを語った。