フッ化物洗口でむし歯予防を

フッ化物洗口でむし歯予防を

乳幼児の虫歯予防について意見交換した口腔機能向上研修会

連携強化へ 乳幼児の虫歯予防について意見交換した口腔機能向上研修会
名瀬保健所

 乳幼児期のむし歯予防など口腔機能向上に関する研修会が26日、県大島支庁であり、歯科医や歯科衛生士、保健師、児童発達支援事業所関係者など51人が参加した。歯磨きやフッ化物洗口などによる虫歯予防と定期的な歯科検診による口腔機能の維持向上にむけ、関係者の連携強化を図った。

 研修会は名瀬保健所の主催で、鹿児島大学病院発達系歯科センター小児歯科の佐藤秀夫歯科医と南九州市にある菊野病院の言語聴覚士、松永宏行さんが講演した。

 佐藤歯科医は、県立大島病院と連携して実施している全身麻酔歯科治療について報告。全身麻酔歯科治療は、家庭環境や障がいなどにより、定期的な歯科治療が困難な子どもなどを対象に、全身麻酔を使って行う治療。恐怖心を与えることなく1回の治療で完治できるメリットがある一方、全身麻酔によるリスクなどデメリットもあるという。

 佐藤歯科医は「乳歯のほとんどがむし歯になっている子どもにとって、全身麻酔歯科治療は効果がある」とする一方、「むし歯をつくらないことが一番大切。日頃から歯磨きなどをすることで、むし歯予防に心がけてほしい」と話し、新潟県など全国的にフッ化物洗口によって実績をあげている事例を紹介し、「家庭や学校などでも積極的に取り組んでもらいたい」と話した。

 松永さんは、言葉の遅れや「発音がうまくできない」、「食事が苦手」といった子どもたちの支援方法など、子どもの発達と口腔ケアなどについて説明。「脳の発達や精神機能の発達にも関係している。乳幼児健診などを活用しながら、子どもの発達を見守ることが大切」などと話した。

 講演後は、参加者らがグループにわかれて意見交換。市歯科医師会の畠義一郎会長は「幼稚園や保育園ではフッ化物洗口がほぼ浸透しているが、小中学校ではまだまだできていない。奄美の子どもたちのむし歯予防のためには、フッ化物洗口をもっと広く浸透させる必要がある」と話した。