フクギ並木に「オリイオオコウモリ」

フクギ並木に集まり実を食べるオリイオオコウモリ

与論町城集落
「名所として大事にしたい」

 南西諸島に分布するクビワオオコウモリの亜種・オリイオオコウモリが、与論町城集落のフクギ並木に集まり餌を食べる光景が注目されている。近くの住民は、「飛び回るコウモリの鳴き声がにぎやかで、名所の一つとして大事にしたい」としている。オリイオオコウモリはフクギの実が落ちてしまうと他所へ移動するようで、来年もこの光景が無事に見られるよう願う声も聞かれた。

 日本にいるオオコウモリは、オガサワラオオコウモリとクビワオオコウモリの2種。鹿児島国際大学の船越公威教授の研究で、1995~2005年にかけ4回の生息状況調査で与論島にはクビワオオコウモリの亜種オリイオオコウモリが生息することが判明した。

 この時期、与論城址そばのフクギ並木に実がなると、それを目当てにオリイオオコウモリがやってくるという。並木のすぐ傍らに住む東元良さんは「毎年フクギの実がなると、夜にキーキー鳴きながら飛び回っている。初めて見る人は、その大きさにとても驚く」と語った。

 フクギ並木を通学路にしている与論小3年の基尚瑚くんは、「夕方に通るとよく見かける。ぶら下がっているのを近くで見たこともあるが、目が大きくクリクリしていてとてもかわいかった。もっと増えてくれればうれしい」と話した。

 奄美でコウモリなどの調査をしている奄美海洋生物研究会の木元侑奈さんによると、オリイオオコウモリは植物食で木の実や花の蜜などを餌にしているという。