北高に大会用のカヌー寄贈

北高に大会用のカヌー寄贈

贈られたカヌーを前に喜ぶ部員と白畑さん(左)

白畑さん通じ実現 「乗り心地素晴らしい」
岩手県宮古市の「日出島パドリングクラブ」

 奄美市笠利町の県立大島北高校カヌー部に7日、岩手県宮古市のカヌークラブ「日出島パドリングクラブ」からカヌー1艇が贈られ、学校近くの同町境目公園で贈呈式が行われた。大会にも使用される本格的な競技用カヌーに、部員たちは「大会と同じ仕様の艇で練習できるのはとてもありがたい」と喜んだ。

 カヌーは、国内外のカヌー競技大会に出場するなど活躍、島内でカヌーのガイドやインストラクターをしている同市名瀬、白畑瞬さん(34)を通じて、同校に贈られた。

 白畑さんと日出島カヌークラブは、2010年に同県で行われたシーカヤックマラソン大会で知り合い交流を続けており、同年の奄美の豪雨災害の際は同クラブから義援金などが届いた。翌年の11年3月に東日本大震災が発生すると、今度は白畑さんらが義援金を送るなど支援を続けた。

 今年3月、同クラブの加藤昭一代表が奄美を訪問、同校カヌー部に公式大会などで使用されるカヌーがないことを知り、ポルトガル製で、スプリントカヌーに使われるシーカヤックを寄贈することにしたという。全長5・2㍍で、白畑さんによると、国内で購入すると70万円以上するといい、愛知県のカヌー輸入業者なども協力した。

 同日、さっそく近くの海で練習した3年、森永武人主将(17)は「とてもスピードが速く、乗り心地も安定していて気持ちいい。こんな素晴らしいカヌーを頂けるなんて、これ以上の幸せはない」と喜んだ。1年の常田優華さん(15)も「たくさんの人たちのご厚意に感謝し、来年5月の高校総体県予選大会は、上位入賞して全国大会に出場できるよう頑張りたい」と抱負を語った。

 白畑さんは「遠く離れた岩手から、多くのカヌー仲間のつながりによって奄美に届いた。みんなの思いに応えられるよう、カヌー部だけでなく僕たちも、奄美のカヌー普及に頑張っていきたい」と話した。