住民と八月踊りで国際交流

住民と八月踊りで国際交流

八月踊りやチヂンをたたいて、伝統文化に親しんだ海外研修生

住用町山間 奄美の伝統文化に親しむ
スリランカなど海外の医療研修生

 スリランカやミクロネシア、グレナダなど諸外国の医療研修生6人が7日夜、奄美市住用町の山間集落(潤井美登区長、112世帯約200人)を訪れ、八月踊りを堪能した。住民らと一緒になって奄美の伝統芸能を踊り、“国際交流”の一夜を楽しんだ。

 政府の国際協力実施機関JICAの委託による医療研修プログラムの一環。研修生は生活習慣病予防に取り組む5カ国の医師、看護師で、ほとんどが初来日。講師を務める鹿児島大学の嶽崎俊郎・離島へき地医療人育成センター長ほか、奄美大島島内で勤務する医師らも参加した。

 NPO法人・すみようヤムラランド(満田英和代表)が現地研修会の主催。研修生に住用町内の集落で伝統文化に触れてもらおうと、毎年開催。今回で5回を数える。

 満田理事長はあいさつで「初体験の八月踊りを楽しみ、住民とともに長寿の秘訣を学んでもらえたら」と歓迎した。

 地域の八月踊り保存会から基本的な動作や足運びの説明を受けると、約50人の住民と一緒になって輪踊りを体験。集落公民館の土俵の周囲を回った。

 唄に合わせてチヂン(島太鼓)の音やハト(指笛)が出るなか踊りを楽しみ、時折歌うシマ唄にも耳を傾けながら、奄美の伝統文化に触れるひとときに親しんだ。

 中南米グレナダの看護師のサリー・チャールズさん(41)は「いろいろな曲調、リズムに変化があり不思議な感じ。踊りも独特だけれど楽しい」。奄美の印象は「会う人はみんな笑顔。思ったよりも暑いですね」と笑顔で話した。

 潤井区長は「国際的な交流機会は、地域の子どもたちにもいい経験になったと思う。次回は、英会話などで触れ合う場面があったらいい」と述べた。

 一行は17日まで滞在し、島内の医療機関を訪問する予定。