元関西奄美会長・模さん

時には奄美の話題で笑顔が広がる事務所。平田さん(右)は3度徳之島を訪れたという

「島んちゅ同士のもめごと苦労」
徳之島2世の事務員も

 【東京】喜界島出身で、このほど東京で開催された「東京喜界会」に関西から元関西奄美会会長の模(ばく)泰吉さんが参加した。模さんは2017年4月に関西奄美会の顔として「関西奄美会創立100周年行事」を成功裏に導くなど、大役を担った。一方で「三宮法律事務所」を率いている。島と関西の絆の構築に奔走する模さんの事務所におじゃました。

 JR、阪神電鉄、阪急電鉄、神戸市営地下鉄、さらにポートライナーが乗り入れる交通の要衝・三宮駅から徒歩3分。事務所は、その三宮駅を見下ろすようにあった。南西には旧居留地が、南には神戸港新港地区があるなど時を重ねながら新たな歴史を刻んでいる地域で、ひときわ目立つビル(ニッセイ三宮ビル)の11階に構えている。

 破産・民事再生といった倒産処理業務から、成年後見、企業の諸活動に関する法的助言、また医療、労働関連事件といった紛争の解決に、それぞれの得意分野を生かし、共同で取り組んでおり、模さんはその集団を率いているのだ。現在11人の弁護士が所属、8人の事務員の中には徳之島2世もいる。模さんは25歳で弁護士活動を開始。さまざまなこともあった。

 一番困ったのは「島んちゅ同士のもめごと」。「金を貸した相手が島出身だったり、差し押さえに行ったら、奄美会の人だったりした時は、正直やりづらかった」と振り返る。「島出身者同士が、土地の境界線の争いをして解決したら、『おい、やっちゃん何てことしてくれたんだよ』と、敗れた方から突き上げされたりしました」。今では、柔和なほほ笑みをたたえ語るが、話を伺っている最中に仕事の電話が入ると一瞬にして法廷の厳しい顔になった。

 そんな模さんを陰で支えるスタッフの一人が、両親が徳之島(徳之島町亀津)出身の平田絢乃さんだ。事務員として12年目。「仕事はやりがいはありますが、その分ストレスも。そんな時、模先生、両親の出身地を思い出しながら頑張っています」と笑顔を見せる。一方、「島のことを分かってくれているので、関西奄美会会長の時は本当に助かったよ」。スケジュール管理に奮闘してくれた島の後輩を「ボス」は包み込むようなまなざしで、ねぎらっていた。