奄美・日本文化PRしもてなし

市都市整備課が企画した、餅つき体験も盛況で人だかりができた

最大クルーズ船寄港
名瀬市街地でも多彩催し 有志住民らのシマ唄披露も

 奄美市の名瀬港観光船バースにこれまで寄港したクルーズ船のうち最大の「ウエステルダム」(8万2862㌧・オランダ船籍)が寄港した31日、乗船した外国人観光客らに奄美を満喫してもらおうと、名瀬市街地でも多彩な催しが開かれた。市都市整備課はAiAiひろばでイベントを開催。呈茶や大島紬の着付け体験などで奄美や日本の文化をPR。市街地の通りでは市職員や有志の住民らが、シマ唄で外国人観光客を楽しませるなどした。

 同課はクルーズ船寄港時に街中のにぎわいを創出するために実証実験としてイベントを初開催。AiAiひろばのイベントのほか、末広本通りと中央通りアーケードでは、奄美市通り会連合会の協力を得て、路上にテーブルといす40セット(約80人分)を設置するなどした。

 AiAiひろばであったメインイベントには多くの乗船客が殺到。呈茶や紬の着付けは人気があり、待ち時間も発生した。このほか奄美大島の植物・生物の写真展や、餅つきなどもあり、乗船客は奄美・日本文化を満喫した。また、末広本通りでは市職員などがシマ唄やバンド音楽を披露。唄に合わせチヂン(太鼓)をたたき笑顔になる外国人観光客の姿も多く見られた。

 中央通りアーケードでは有志の住民らがシマ唄や六調を披露。龍郷町の唄者・内田和信さん(68)は乗船客らにサンシン(三味線)のレクチャーも。六調では輪に加わる乗船客も見られた。内田さんは「クルーズ船が入港すると知り、仲間と一緒に来た。音楽は世界共通だから伝わって良い」。ともに唄を披露した重野ミヨ子さん(89)は「せっかく来てもらえるのだから、これからの奄美の発展のためにも良い印象を持って帰ってもらいたい」と語った。

 米国・ワシントンDCから訪れたというマジョリー・バーナーディーさん(72)は、「奄美は初めてだが、とても文化的な印象を受けたし、人々のもてなしに驚いた。また来てビーチなどを見たい」と話した。市都市整備課の中村幸浩まちづくり推進係長によると今回、市職員が乗船客にヒアリング調査を実施。聞き取りから得られた課題を検証し、今後のイベント開催につなげるという。