「ツルヒヨドリ」重機で駆除

「ツルヒヨドリ」重機で駆除

草刈り機を取り付けたショベルカーで駆除作業を実施(提供写真)

駆除作業した部分にシートを被覆(提供写真)

シート被覆で繁殖経過観察も
今後の駆除活動に役立て
県建設業協奄美支部

 県建設業協会奄美支部(村上慎一郎支部長)は10月30日、奄美市名瀬根瀬部の県道沿いで特定外来種「ツルヒヨドリ」の駆除作業を行った。県大島支庁建設部の協力のもと、会員ら約35人が参加。重機を利用し、徹底的に駆除した。終了後には駆除部分を3種類のシートで被覆。今後の生育状況を経過観察するという。

 作業前に奄美大島自然保護協会員らの協力のもと、現地調査を行い、駆除作業実施場所を決定。県道名瀬瀬戸内線沿い(長さ12㍍、法面高さ3㍍)で作業を実施。ショベルカー1台を使用したほか、手作業で徹底的にツルヒヨドリを駆除した。ショベルカーには刈り取った外来種の種などの飛散を防ぐためのバケット(かご)も取り付けられていた。

 2㌧トラック1台分の雑草を取り除いた後、駆除した跡地に3㍍四方の▽ブルーシート▽草除けシート▽防草シート―を被覆。シートなしの部分も設け、それぞれの生育の経過をモニタリングし、今後の駆除活動に役立てるとしている。

 同支部の岩本正事務局長は「世界自然遺産登録に向けて業界団体としてできることをしたいと思い9月から実施し2回目。今回は重機を使えたが、群生地によって駆除方法は変えなければならないので、専門機関などと連携していきたい」と話す。同支部などからなる「外来種駆除ロードマップ作成協議会」は、ツルヒヨドリの防除対策マニュアルも作成しており近日、データを公開するとしている。また、イベント会場などで積極的に配布していくことを予定している。

 作業に立ち会った環境省奄美群島国立公園管理事務所の千葉康人国立公園管理官は「今回のように長期間被覆してみて、生育をはばむというのは、初の試み。今後の結果次第では他地域への適用が期待できる。支部の技術的サポートは大変心強くありがたい。まだ他にも侵入箇所はあるため、長期の戦いになるとも思うが、今後も引き続きご協力いただければ」と語った。