「赤土新ばれいしょ春一番」

価格回復に期待を込めて、「赤土新ばれいしょ春一番」の植え付け作業が始まった=6日、伊仙町目手久

価格回復に期待込め
徳之島地区 植付け作業始まる

 【徳之島】JAあまみ徳之島事業本部と同天城事業本部の主要園芸品目「赤土新ばれいしょ春一番」の今期(2019野菜年度)産の種芋の植え付けが始まっている。生産農家は、前期まで2年連続の価格下落の試練に立たされたが、「いつまでも安値は続かない。量の確保が大事」と植え付け作業に励んでいる。JA両事業本部の「春一番」共販の合同出発式は、2月1日に天城町防災センターで計画している。

 JA徳之島・天城両事業本部(徳之島3町)の18年度産「春一番」の共販実績は、生産面積582㌶、生産者数1151人、販売量9824㌧、販売額13億4681万2千円だった。17年度産同様、終盤にかけて市場価格が暴落した。栽培技術が向上傾向(10㌃平均単収1・688㌧)にある一方で、地区野菜会・生産者サイドからは総会の席上「有利販売」の努力も促された。

 こうした中、今期掲げている共販計画は生産面積530㌶(前期実績比52㌶減)、生産者数1150人、販売量8800㌧、販売額14億9600万円(1億4918万8千円増)となっている。

 JA県経済連(野菜振興課)やJAあまみ徳之島事業本部(園芸課)などは、これまでの見通しで、①北海道産地の面積減(大玉傾向・平年作)②20年東京五輪などオリンピックイヤーに伴う消費拡大③約5年周期の価格下落後からの価格回復傾向(過去に3年連続下落データなし)―など観測も示している。

 6日、伊仙町目手久のほ場で種芋の植え付け作業に精を出していた同町喜念の農業、松田真弥さん(70)は、「3、4年ほど前の市場価格に戻ることを期待。『今年は値段がしそうとか、しなさそうだとか』の理由で面積を増減させず、産地として毎年一定量を作ることが農業の基本。いつまでも安値は続かないと思う」。生産牛6頭の飼養と併せて今期も約80㌃を植え付けるという。