奄美でも「大嘗祭」

奄美でも「大嘗祭」

古仁屋高千穂神社で行われた「大嘗祭」。神前にて神楽を奉納した柿岡さん

 

 

令和時代の平和を祈る
厳かに祭事、神楽奉納
古仁屋高千穂神社

 

 

 「大嘗祭=だいじょうさい=」が皇居であった14日、瀬戸内町の古仁屋高千穂神社(昇清隆宮司)は社殿内で同行事を執り行った。厳かに祭事を進め、令和の時代の平和を祈った。

 稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願する宮中行事「新嘗祭=にいなめさい=」。新天皇が即位し、初めての新嘗祭を大嘗祭と呼ぶ。同神社は例年、新嘗祭を実施しないが、新天皇即位の記念として神社庁の呼び掛けに応じ、同行事を執り行うこととしたという。

 集まった参列者17人を前に、行事は厳かに開始。神酒=みき=や尾頭付きのタイなどを献上する「献饌=けんせん=」の後に昇宮司が祝詞を奏上した。また奄美市名瀬の柿岡朱香さん(29)が、神楽を奉納。檜扇=ひおうぎ=や神楽鈴を手に、世間・人々の平穏を祈る意味が込められるという「浦安の舞」を粛々と舞った。

 参列者一同で神酒を飲む「直会=なおらい=」を経て行事は終了。昇宮司が同神社や天皇家の歴史を解説するなどした。この日、里帰りに合わせ参列した阿室釜出身で久留米市在住の本田留李江さん(75)は「普段は神社に縁がないため、足を運ぶ良いきっかけとなった」と話し、「誰もが願う、平和な時代になれば」と令和の時代への期待を込めた。

 昇宮司は「一世一代のことなので実施することとした。天皇陛下の世がいつまでも続き、国民が平和で安定した世の中になるように祈る祝詞をあげた。平和について考えなおしてもらえれば」と語った。