農業用廃プラ類 不法投棄を確認

合同パトロールで農業用廃プラ類の不法投棄現場を確認する関係者=20日、伊仙町検福の山中

JAや町行政に啓発要望書も
徳之島で県産業資源循環協など

 【徳之島】県産業資源循環協会奄美支部徳之島部会(福永健副支部長・部会員13社)や徳之島保健所、3町行政など関係者は、県の不法投棄防止月間(11月)の一環で20日、合同啓発パトロールを実施。伊仙町内では、住民の通報で把握していた農業用廃プラスチック(廃プラ)類の不法投棄現場も確認。排出者(農家)に適正処理の周知徹底を求める要望書をJAや3町農政当局に提出した。

 合同パトは同月間に毎年実施しているという。産業資源循環協会員の建設業や関係行政などから13人が参加して徳之島保健所前で出発式。福永副支部長は「不法投棄は、来年度の世界自然遺産登録を見据える島としてイメージ的にも良くない」と啓発協力を要請。

 保健所側は、県が把握した不法投棄件数はここ数年20~30件で推移し依然として後を絶たないことを指摘。「不法投棄の防止・改善には早期発見と拡大防止が重要。合同パトを契機に不法投棄をしない・させない、見つけたらすぐに通報という機運が高まり、不法投棄ゼロの住みよいまちづくりに」(船間純一技術主査)と要請した。

 農業用廃プラ類の不法投棄の通報が寄せられていた場所は伊仙町検福、同町堆肥センター近くの、人目に付きにくい山中の里道沿い。肥料袋や畜産用の乾草サイレージラップなど推定百㌔が堆積。不法投棄者は特定されてないため「拡大防止」の観点から近く、町側で対処するという。

 このあと不法投棄の早期発見・拡大防止への県「産廃不法投棄110番」(大島支庁衛生・環境課など)利用も含め広報巡回。農業資材購買者のJAあまみ徳之島、天城の両事業本部には要望書(保健所長名)を直接持参して要望、3町の農政関連課にも送付した。

 徳之島地域農業用廃プラスチック類適正処理推進協議会(事務局・天城町農政課)によると、2018年度の回収(3回実施)実績は計3万110㌔(徳之島町5720㌔、天城町1万3590㌔、伊仙町1万800㌔)。資材販売量から推計した廃プラ類総量9万5928㌔の約31%に止まっている。

 対策として今年度第2回回収(来月5日)からは、排出者個人の負担金を▽肥料・農薬袋、ポリ容器などを30円(㌔)▽ハウスビニール・サイレージラップなどは40円(㌔)に、それぞれ10円ずつ値下げする。

 農業用廃プラ類は産業廃棄物に該当。不法投棄や野焼きは5年以下の懲役か、1千万円以下の罰金または併科。法人の場合は3億円以下の罰金となる。