市職員に障がいに関する研修

奄美市職員に向けて障がい理解などについての講話を行ったぴあリンク奄美の大津敬センター長

「共感する力身に着けて」
ぴあリンク奄美・大津センター長

 奄美市福祉政策課は5日、同市役所5階大会議室で、市職員に向けた障がい理解のための研修会を開いた。奄美地区障がい者等基幹相談支援センター「ぴあリンク奄美」の大津敬センター長が講師として立ち、「障がい理解と心のバリアフリーについて」の演題で講演。社会的な障がいへの対応・統合失調症について説明し、市職員への理解を求めた。

 研修は「障害者週間」(3~9日)にあわせて、実施するもの。ぴあリンク側からの打診を受けて開催にこぎつけたもので、市としては初めての試みだった。各課から約40人が出席した。

 講演で大津センター長は、「障がいは人の中にあるのではなく、社会の中にある」とし、ハード面・ソフト面の両面で除去することができると説明。ハード面が整備できていない状況下でも、「『施設が対応していない』で済まさず、本人と対話をして、何に困っているのかを考えるべき」とした。

 また、精神障がい・統合失調症についても解説。統合失調症による幻覚・幻聴・被害妄想への対応として、「否定も肯定もせず、気持ちに寄り添う。理解するコツは判断基準の“ものさし”をたくさん持つことだが、簡単にわかったつもりにならないことも大切」。講演の締めくくりには、「研修に来た人は、自分だけの知識で終わらせないように、周囲の人に話し、共感する力などを奄美市のサービスとして身に着けてほしい」と呼び掛けた。