県立「博物館がやってきた!」 徳之島コーナーも

間近で見る機会のない動物たちのはく製に興味を示す中学生たち=12日、天城町防災センター


県立「博物館がやってきた!in天城町」のオープニングセレモニー

天城町でスタート 資料5千5百点

 【徳之島】県立博物館(鈴木俊之館長)の移動博物館推進事業「博物館がやってきた!in天城町」(同町教育委員会共催)が12日、同町防災センターで始まった。世界自然遺産登録を目指している「徳之島の自然資料」をはじめ、国内外の貴重な動植物など標本や関係資料の約5500点を展示し、楽しい実験も並行。星空観察会なども予定。入場無料、15日まで。

 自然・環境保護が世界的な課題となっている中、郷土の自然を見つめて科学する心、自然と共生する心を培うことなどを目的に巡回。今回は、世界自然遺産登録を継続して目指している地域の住民に、地域の自然の豊かさや興味深さに触れる機会を―と配慮した。徳之島では2011年度の同3町共催(展示・徳之島町、星空観察会・天城町、自然観察・伊仙町)で開催して以来8年ぶり。

 天城町防災センター玄関前でオープニングセレモニーがあり同町立南部保育所のちびっ子エイサー隊が演踊を披露。見学校第1号の天城中全校生を前に、県立博物館の鈴木館長は「会場はいろんな展示や楽しい実験などがあります。たくさん楽しみ勉強をして帰って下さい」とアピール。森田弘光町長の歓迎あいさつに続き同保育所代表の宝山琉斗ちゃん(6)も交え関係者でテープカット。

 展示コーナーは①鹿児島と世界の昆虫②鹿児島の天然記念物、貴重な生物③県児童・生徒の理科研究記録や標本の優秀作品④徳之島の自然資料⑤「さわっていいよコーナー」(恐竜化石・鉱物・イモリ)⑥日本とフィリピンの貝など。

 楽しい実験コーナーでは液体窒素を使った「とほうもなく冷たい世界」(マイナス196度)の実験。郷土の自然コーナー(12~13日、同センター避難室)や、星空観察会(14日午後6時半~同8時半まで樟南二高グラウンド、定員50人)=申し込み先・天城町ユイの館(電話0997?85?4720)も予定。各講師は県立博物館の学芸主事や学芸指導員らが担当する。

 鈴木館長は「まずは本物のはく製や標本など身近で観察。徳之島の自然を紹介するコーナーも設けており、世界自然遺産を目指している自分たち島の宝を見直すきっかけに」と来場を呼びかけた。

 開館時間は午前9時~午後5時(最終日14日のみは午後4時閉館)。