伊仙町ふるさとレストラン

「ふるさとレストランプロジェクト」で徳之島食材に関心。「ホテル雅叙園東京」の近藤紳二中華総料理長(中央)ら=8日、伊仙町

「島野菜には野性味が」
ホテル雅叙園東京 中華総料理長

  【徳之島】ふるさと納税にリンクさせ地場産食材もPRする「ふるさとレストランプロジェクト」事業に取り組む伊仙町はこのほど、都心の「ホテル雅叙園(がじょえん)東京」(目黒区)の中華総料理長らを招へい。島内の伝統食や旬の地場農林水産物など食材をPRし、地元生産者との意見交換や生産現場視察でも交流した。

 同町ふるさとレストランプロジェクトは2017年度に開始。首都圏などの一流レストランのシェフらが掘り起こした徳之島産食材でメニューを開発し、その食事券(ペア)をふるさと納税返礼品に加えている。料理人らの地元招へいは、納税者額の増加、島内産食材のPRと直販ルートの拡大、シェフらとの関係性維持などが目的。

 テレビなどでもおなじみの和食や洋食(フレンチやイタリアン)の有名料理人やシェフらが来島。現在都心と京都地区の計4店で提供中だが、ホテルおよび中華料理レストランが対象となるのは今回の5店舗目で初めて。

 来島したのは、ホテル雅叙園東京の中華料理総料理長・近藤紳二さんと、総支配人の吉澤真一郎さんの2人。地元生産者との交流会は8日、伊仙町ほーらい館であった。有機栽培のニンニクやキャッサバ、冬瓜(とうがん)、生姜(しょうが)、パパイア、天然塩、純黒糖、スッポンなど約22種を展示。各生産者らが産地の現状を説明して食材活用・販路の定着にも期待した。

 会場では、中華総料理長の近藤さんが参加者らの要望に応え、それら食材で中華の定番「マーボー豆腐(麻婆豆腐)」を即興調理。「舌が痺れるほどおいしい。家庭で食べるマーボー豆腐の味とは違う」などと驚かせた。

 島食材への感想で近藤さんは「島の野菜には野性味が残っており香りも味も凄くいい。炒めたら香りがすぐ出てくる。中華料理にはぴったり。黒糖もすっきりしていて現在東京で使っている。期待できる食材が多い」と話した。翌9日は生産現場を視察・交流した。