自民党奄振委

自民党政務調査会奄美振興特別委員会であいさつする尾辻秀久委員長

非公共予算「例年ベース」
製糖工場働き方改革 省力化施設を整備

【東京】自民党政務調査会奄美振興特別委員会(尾辻秀久委員長、金子万寿夫事務局長)は19日、平河町の自民党本部で会合を開いた。会では奄美振興関係予算の2019年度補正予算案、20年度当初予算案について各関係省庁から報告がされ、その後意見交換を実施。尾辻委員長は、離島の医療の充実について注文をつけていた。

会の冒頭で尾辻委員長は、「世界自然遺産登録に向けて10月に調査が入り、来年夏ごろの登録を期待している。昨年は過去最高の88万人の皆さまに奄美を訪れてもらっている。さらなる支援をいただきたい」とあいさつした。国土交通省は、19年度補正予算のなかで、非公共事業として前年度より1億円上乗せし6億円とし、20年度当初予算案では、離島、奄美群島、小笠原諸島、半島等の条件不利地域の振興支援52億円のうち、「奄美については24億円となり例年ベースだ」と説明した。

また、文部科学省は離島高校生就学支援事業に、2億5400万円(前年度当初予算額・2億3600万円)とし、文化庁が危機的な状況にある言語・方言の活性化・調査研究事業に3300万円あて、来年2月23日に「方言サミット」を奄美市で開催する予定とした。農林水産省は、甘味資源作物生産支援対策の実績とし奄美大島、徳之島、沖永良部島において、働き方改革に役立つ省力化施設を整備したとした。ほかに、厚生労働省、経済産業省、環境省、防衛省などから報告があった。

意見交換では、「製糖工場では将来に向けて3交代制を取れるよう工場の設備省力化したい」「(収穫が)スタートしたばかりだが、平年を上回っている」などと担当者から報告された。一方で、ノネコ対策と、大型クルーズ船就航問題が話題に。「奄美では捕獲したノネコを殺処分した例はない。奄美の人たちは本当によくやっていただいている、と申し上げたい」(尾辻委員長)。「今回は大型クルーズ船就航を拒否することになったが、将来的には大きな目玉となり得るから検討したい」(金子事務局長)と、それぞれ述べた。最後に伊集院幼大和村長(大島郡町村会会長)が「前年並みの予算確保に動いていただき感謝している。それぞれの地域の特性を生かしていきたい」と語った。