「不安だしショック」「怖かった」

空港内は便の振替や払い戻しを求める利用客であふれるなど混乱した

JAC機滑走路逸脱 奄美空港内、欠航で混乱
振替・払い戻し客であふれる

8日午前、奄美市笠利町の奄美空港で日本エアコミューター(JAC)の旅客機が着陸時に滑走路を逸脱するトラブルがあり、滑走路が閉鎖された。以降の便の欠航に伴い、搭乗便振替や、払い戻しを求める利用客がカウンターに押し寄せるなど、空港内は一日混乱した。

奄美空港で乗り継いで東京での仕事に向かう予定だった男性(68)は、午前9時50分ごろ同機の窓際席に搭乗。男性によるとこの日は、離陸時やフライト時も風が強く機体が上下にあおられるような感覚があったという。

男性が異変に気づいたのは奄美空港の滑走路に着いた午前10時過ぎ。着陸時はまっすぐ進んでいた機体が徐々に滑走路を逸れ、旅客機が草むらに停止した。

停止時などに衝撃はなく、男性も初めは何が起きたのか分からなかった。しばらくして機長から「滑走路から逸れた」とのアナウンスがあり、事の重大さに気づいたという。男性は「(着陸時は)タイヤの音がガタガタと鳴っていた」とし、「(このような出来事は)やはり不安だしショック」と肩を落とした。

また、喜界島から同空港を経由し、自宅に帰る予定だった大阪府の男性(71)は「着陸する前から羽が大きく揺れた」。着陸後は15~20分程度機内で待ち時間があったものの、迎えに来たバスで機内を後にした。「みんな落ち着いていたが、とても怖かった」と語った。

一方、空港閉鎖に伴いこの日はほとんどの便が欠航し、多くの搭乗予定客らが立ち往生。航空会社のカウンターでは振替チケットを求める利用客で混雑し、各社対応に追われた。

大阪に戻る予定だった64歳の観光客男性は、ツアー会社が9日の航空券を手配。「会社は遅れるけど何とか1日(の延泊)で済みそう」と胸を撫でおろした。

子ども2人と観光で来島した大阪府の女性(26)は2日遅れの10日の便に。「宿は手配で来たけど、子どもの学校が遅れて大変。着替えもなく、これからコインランドリーも探さないと」と困惑顔で話した。