20年成人式大島紬着用率

大島紬着用率が最も高かった龍郷町の成人式(3日)

龍郷町最高の81・5%
前年上回り24・5%

 本場奄美大島協同組合(前田豊成理事長)は10日までに奄美群島12市町村14地区(奄美市は3地区)の2020年成人式出席者の大島紬着用率をまとめた。奄美群島全体の着用率は前年を1・4ポイント上回る24・5%となった。また、奄美市笠利地区と龍郷町では着用率が8割超えとなった。

 同組合は例年、奄美群島で開かれる成人式(2~4日)で、新成人の大島紬着用率調査を実施。各自治体に依頼し、着物着用者のほか、大島紬を利用した羽織、ジャケットなども着用者としてカウントしている。

 集計表によると、奄美群島全体で男546人、女506人の計1052人が成人式に出席。そのうち、紬着用者は男138人、女120人の計258人だった。

 地区別の着用者数をみると、最も高かった龍郷町が前年から17・3ポイント上がり81・5%。7年連続着用率トップだった笠利地区(奄美市)の80・8%より0・7ポイント高かった。男女別では、男子は龍郷町(78・9%)で、女子は笠利(92・6%)が最高だった。

 上位2地区を除くと、▽名瀬(奄美市)が35・7%▽住用(同)33・3%▽大和村27・3%―などが高かった。奄美大島だけでみると、成人式出席者の4割以上が紬を着用。それ以外の各島では10%以下だった。

 着用者数は同市名瀬114人、龍郷町53人、同市笠利42人―で、上位3地区で全体の8割以上を占めた。着用率が前年を上回る結果となったことについて、前田理事長は「大変喜ばしいこと。今後は奄美大島以外の島々で着用してもらうよう、行政と連携して広報できないか検討したい」。また、「奄美大島を代表する伝統産業といえば大島紬と黒糖焼酎。島を離れて頑張っている若者たちにも、紬のことを誇りに思い、ことあるごとに口に出してもらいたい」とも語った。