アッタドコネ授業、一旦区切り

最後の収穫後、アッタドコネを手に記念撮影をする芦花部小中児童生徒や地元生産者たち

収穫期を迎えたアッタドコネを元気よく引っこ抜く児童たち

丁寧に引っこ抜き最後の収穫楽しむ
芦花部小中

 奄美市名瀬の芦花部小中学校(今村敏照校長、小学生24人・中学生23人)は11日、校区の有良=あった=集落の畑で地域のブランド大根「アッタドコネ」を収穫した。2017年から続いた同授業も、諸般の事情から今年で一旦一区切り。児童生徒たちは収穫期を迎えたアッタドコネを悔いなく丁寧に引っこ抜くなど、最後の収穫作業を楽しんだ。

 授業は土曜授業を活用し、集落生産者の協力を得て2017年から実施。アッタドコネは太さとほろ苦い味が人気で、寒暖差の大きい有良集落でしか育たないご当地大根として親しまれている。

 だが近年は、生産者の高齢化や後継者不足など大きな課題もあり、同授業も今年で一旦は終了。授業をサポートしてきた同集落・豊智恵子さんは「伝統を通じて子どもたちと触れ合えるのは毎回楽しみだった。残念だけど管理も大変で」と名残惜しんだ。

 畑に集合した児童生徒たちは昨年9月に種をまき、すくすく育ったアッタドコネを前に驚きの声を上げながら収穫を開始。生産者らが根元にクワを入れた後、児童生徒たちは土から顔を出した頭部を少しずつ左右に揺すりながら慎重に大根を引き抜いた。

 簡単に一人で引き抜く生徒もいれば、四苦八苦する児童たちは「せーの」と力を合わせて作業。自分たちの腕より大きく太い大根を手に、最後の収穫を喜んだ。

 同中3年・上田歩輝=いぶき=くんは収穫直後の大根を味見して「辛いっ」と顔をゆがませながらも「4年間、地元の野菜を知ることができてよかった」と笑顔で話した。

 今村校長は授業を終えることを惜しみつつ「学校から畑までは遠く、管理がどうしても難しい。だが有良でしか生産できない、郷土を知る上では有意義な授業。機会があればまた再開したい」と話した。