大島紬アンバサダープロジェクト始動

約20人が参加した「大島紬アンバサダープロジェクト」の発足式

魅力、消費者目線で発信
「“置き物”を“お着物”に」

 消費者目線での本場奄美大島紬の魅力の発信を目的とした「大島紬アンバサダープロジェクト」の発足式が11日、龍郷町のりゅうがく館であった。約30人が参加。この日は本場奄美大島紬協同組合の前田豊成理事長を講師とした勉強会や昼食会もあり、参加者は交流を深め、紬に対する知識を身につけた。

 この日の発足式ではプロジェクトの発起人で公式ホームページ(HP)の運営管理者でもある龍郷町の秋葉深起子さんが趣旨を説明。アンバサダーは紬着用を自分磨きにつなげつつ、消費者目線からの「大島紬を楽しむことの豊かさ」を公式HP内のブログで国内外に発信。伝統産業の振興や継承につなげることを目的としている。

 すでに島内外約40人がアンバサダーとして活動中。秋葉さんは「ユーザー視点で島外に発信し、ゆくゆくは全国から参加してもらうファッションショーなどを開催したい」としている。

 勉強会では前田理事長が業界を取り巻く後継者不足や減産などの現状を解説。参加者からの質問に応じ、算=よみ=やマルキなどの用語についても反物を開いて説明した。また同プロジェクトの今後について、「活動が続き、輪が広がることで、着物姿の人が増え、“紬薫=かお=る”島になれば」と思いを寄せた。

 この日参加した奄美市名瀬のアンバサダー・田島道代さんは「多くの人にタンスの中に眠っている状態では“置き物”だが、身に着けることで“お着物”してもらえれば。日常で着る人を増やすために、愛好者の立場から作り手へのインタビュー記事などを発信したい」と語った。

 アンバサダーは現在も募集中。10~80歳代の女性が対象。また、活動に協力しているサポーターも募っている。詳細は「大島紬アンバサダー」の公式ホームページ(https://oshimatsumugi.life)まで。