成人祝賀奄美市地区対抗駅伝

1区名瀬小学校前をスタート。新春の市街地を疾走した選手たち

1位でゴールテープを切った上方地区アンカーの国分選手

上方地区が2連覇8回目の優勝飾る
躍進賞に金久地区 吉選手(上方)が区間新

 第53回成人祝賀奄美市地区対抗駅伝競走大会(奄美市、同市教育委員会、同市体育協会主催)が12日、名瀬小学校前を発着点とする20区間42・195㌔のコースで行われた。市内8地区160人が出場、上方地区が2連覇を達成、合併により奄美市となった第40回大会以降、最多となる8回目の優勝を飾った。

 旧名瀬市時代から例年開催されている恒例の大会は、午前9時の号砲とともに、8チームが一斉にスタート。小学生から一般までの幅広い年代の男女選手がタスキをつないだ。時折激しい雨が降るなど、選手にとっては厳しいレースとなったが、沿道からの声援を受けながら、名瀬地区の市街地を中心としたコースを力いっぱい駆け抜けた。

 優勝した上方地区は、1区でトップに立ち、2区で順位を一つ下げたものの3区で再び首位に立つと、その後は5区の吉隆之輔選手(28)が区間新記録(9分32秒)の走りで後続との差を引き離すなど、一度も順位を落とすことなく2位に2分以上の差をつけトップでゴールした。

 躍進賞には前回大会から7分15秒記録を短縮し4位になった金久地区が選ばれた。

 総合順位と区間賞の結果は次の通り(敬称略)。

 総合成績①上方2時間26分53秒②下方2時間29分07秒③笠利2時間33分01秒④金久2時間33分27秒⑤奄美2時間41分10秒⑥伊津部2時間44分54秒⑦住用2時間50分53秒⑧古見方2時間53分50秒

 【区間賞】▽1区(1・3㌔、小学女子)手島凛花(上方)4分48秒▽2区(1・7㌔、中学女子)永田侑希(笠利)5分51秒▽3区(1・6㌔、小学男子)俊岡玲人(上方)5分21秒▽4区(1・1㌔、小学女子)岡山実優(下方)3分52秒▽5区(3・195㌔、一般男子)吉隆之輔(上方)9分32秒=区間新=▽6区(1・7㌔、一般・高校女子)豊紅茉(笠利)5分51秒▽7区(2・0㌔、中学男子)矢野陽大(下方)7分02秒▽8区(3・3㌔、一般・高校男子)中村康明(下方)10分09秒▽9区(3・4㌔、一般・高校男子)勢田春樹(上方)11分13秒▽10区(1・0㌔、小学女子)岩切ななみ(伊津部)3分46秒▽11区(1・2㌔、50歳代男子)田畑文博(笠利)3分49秒▽12区(1・0㌔、一般・高校女子)吉田風花(上方)3分41秒▽13区(1・1㌔、中学女子)大崎香音(笠利)4分04秒▽14区(3・1㌔、一般男子)山下和也(上方)9分42秒▽15区(1・7㌔)平島颯大(笠利)5分55秒▽16区(3・2㌔、中学男子)小田祥夢(上方)10分28秒▽17区(3・1㌔、中学男子)前之濱優雅(下方)11分25秒▽18区(1・7㌔、小学男子)松島隆和(奄美)6分31秒▽19区(3・1㌔、一般・高校男子)内田翔也(下方)10分27秒▽20区(2・7㌔、40歳代男子)岸田賢吾(下方)8分27秒

「前半首位でチームに勢い」
危なげないレース展開 優勝の上方地区

2連覇を達成した上方地区の選手たち

躍進賞に輝き旗を受け取る金久地区の代表

 終始危なげないレース展開を繰り広げトップでゴール、2連覇を達成した上方地区。前回大会は序盤の出遅れを後半に挽回しての優勝だったが、今回は前半から他地区を圧倒した。幾藤幸監督(50)は「前半で首位に立つことができ、チームに勢いをつけることができた。選手全員が日頃の練習の成果をしっかり出し切り、予想以上の走りをしてくれた」と満面の笑みでレースを振り返った。

 2年連続でアンカーを任された国分信哉選手(41)も「故障もあり、あまり練習できなかったので不安だったが、前の選手たちが大きくリードしてくれたので余裕をもって走ることができた。みんなに感謝したい」と話した。

 これで、合併後の優勝回数は8回となり、毎年優勝争いを繰り広げる笠利(6回)との差を広げた。幾監督は「地域の応援も選手たちの力になっている。来年も優勝を目指し頑張りたい」と抱負を語った。

 躍進賞に輝いた金久地区は、前回の5位から順位を一つ上げ4位でゴールした。タイムも7分15秒と大幅に短縮。自身もアンカーとして最終区を走った川元英経監督(43)は「社会人の選手たちが期待以上の走りをしてくれた。小中学生を中心に、昨年よりチーム力の底上げが出来ていたので、ある程度タイムは短縮できると思っていたが、予想以上の出来だった」と分析。「来年は3位以上を狙いたい」と抱負を語った。

救急救命士の夢実現し2度目の選手宣誓
長野選手(奄美) 夢と希望若い世代につなぐ

開会式で選手宣誓する長野選手

 名瀬小学校であった開会式では、奄美地区の長野正幸選手(26)が「奄美に帰ってこれた感謝を、夢と希望というタスキに変えて、若い世代につないでいくことを誓います」と、選手宣誓した。

 今回12回目の出場を果たした長野さんは8年前、奄美高校3年生時にも選手宣誓しており、今回が2回目。前回の宣誓では、救急救命士として消防職員になり、この駅伝に帰ってくることを誓っていたが、その夢を実現し4年前から大島地区消防組合で救急救命士として、その誓いを果たし、市民の生命と財産を守っている。

 今大会では14区に出場した長野さんは「夢を実現し2度目の選手宣誓できたことに感謝している。これからも選手として走り続けたい」と笑顔で語った。

「県下一周駅伝でもいい走りしたい」
区間新記録の吉選手(上方)

区間新記録の表彰とメダルを受け取る吉選手

 4区で区間新記録の走りを見せた上方地区の吉隆之輔選手(28)は「いい結果を残すことができた。2月の県下一周駅伝に向け自信になった」と笑顔で話した。

 前回に続いて同区間に出場した吉さんは、12月から本格的に練習を開始、1カ月で約580㌔を走り込むなど準備万端で、レース前から「区間新は狙っていた」。前回は同区トップながら区間記録にわずか7秒届かず9分41秒だったが、今回、記録を2秒更新、昨年の雪辱を果たした。

 奄美信用組合に勤務、2月の県下一周駅伝では大島地区の代表として出場が予定されている。「コンディションも良く、良い練習ができているので、チームのためにいい結果が出せるよう頑張りたい」と話した。