インバウンドセミナー

セミナーで奄美らしい「おもてなし」を学ぶ受講生

奄美らしい「おもてなし」学ぶ
国民性、食文化に理解を 

 増加するインバウンド(訪日外国人観光客)に対応しようと、奄美産業活性化協議会は14日、奄美市内のホテルでインバウンド向けのセミナーを開いた。受講生は接遇や英会話の実践ポイントを学びながら、奄美らしさを生かす「おもてなし」について理解を深めた。

 セミナーは国の実践型地域雇用創造事業として、起業希望者を対象に2017年度からスタート。最終年度の今回は、接客やツアー企画など4日間行う実践的プログラムに奄美大島や沖永良部島から12人が受講した。

 研修初日は、「インバウンドの基礎とコミュニケーション」。ライフブリッジ=宮城県仙台市=代表取締役の櫻井亮太郎さんが、訪日国別対策、英会話による応対を講義した。

 インバウンドの傾向では、リピーター率が高く、情報はSNS利用(台湾)、団体客主体で買い物好き(中国)、体験志向で個人旅行が多い(欧米)―などと説明。また国際的な食文化にも触れ、ベジタリアンやイスラム圏のハラールなどを挙げ、受け入れ側の多様性への理解を促した。

 また、こめみそしょうゆアカデミー=東京都=理事の堀田雅湖さんは、表情やジェスチャーを活用した接客術をアドバイス。「外国人が安心感を持てる対応」を強調した。

 海外生活を踏まえ櫻井さんは、奄美を含めた地方の潜在的な魅力に言及。人の好さを踏まえながら、「地域ならではの“変(特色)”を掘り起こし。奄美の独自文化は知られておらず、多くの変を見つけて発信するべき」と受講生に呼び掛けた。

 沖永良部島から参加した太悠子さん(41)は「人と人とのつながりを感じさせる観光を勉強したい」と話し、農泊・民泊の可能性に期待感を示した。