国内2例目、ウグイスゴマダラハタ

昨年12月に名瀬漁協に水揚げされた日本名「ウグイスゴマダラハタ」。国内2例目の発見(鹿大総合研究博物館提供写真)

鹿大総合研究博物館が鑑定 昨年末、名瀬漁協に水揚げ

 昨年12月16日に名瀬漁協に水揚げされたハタ科とみられる魚を落札した奄美市名瀬の「前川水産」(前川隆則代表)が同月、魚を鹿児島大学総合研究博物館(本村浩之館長・教授)に送り、鑑定を依頼した。その結果、日本国内で2例目の発見となる日本名「ウグイスゴマダラハタ」と命名されたハタ科の魚と同種と同定した。貴重な発見となった。

 関係者によると、日本国内1例目は、鹿児島大学大学院水産学研究科の中村潤平さん、本村館長の2人が一緒に発見した。

 「日本動物分類学会誌」に発表された論文や、関係報告資料によると、1例目は、2015年5月に種子島北東部の水深50㍍で収集された。論文の序文には「大きな標本(標準長613・0㍉)は、日本からの最初の記録であり、博物館標本としては最大の記録。新しい標準の日本名『ウグイスゴマダラハタ』が種に提案されている」「(本種は)かつてインド西太平洋およびフィリピンの散在する地域に分布」「(種子島の日本国内1例目は)種の最北端の記録である」との内容等が記されている。

 本村館長の記事には「形態とDNA解析によって、稀種と同定された」「18年11月に本個体の体色にちなみ『ウグイスゴマダラハタ』と命名された」との内容がある。

 国内2例目発見のウグイスゴマダラハタの標準長は454㍉。競り落とした前川代表が「見たことがない魚が水揚げされた」として、鹿大学総合研究博物館に鑑定依頼した。釣り上げたのは吉村新さん。漁獲海域は奄美大島沖で、水深270㍍。