離島物流で県、初の対策会議

奄美群島市町村の首長らも参加した離島の物流に関する対策会議

「品不足」解消、具体策検討へ

【鹿児島】台風発生時における離島の物流に関する対策会議が29日、鹿児島市の県庁であった。奄美群島を含む県内の離島は、台風の常襲地帯。台風接近に伴う飛行機、船便の欠航によって生鮮食料品などの物資が底をつく状況が度々発生している。昨年8月の台風9、10号が連続した際は、十島村で13日間、船便が欠航するという深刻な事態に陥った。県では物資不足を解消するため、関係者による対策会議を実施。台風時の物流に関して、関係者で一堂に会する会合は初めての試みだった。

会議には県、第十管区海上保安部、海上自衛隊、県トラック協会、県旅客船協会などの物流関係者に奄美群島など離島地域を含む21市町村の首長ら、関係者51人が参加した。冒頭で三反園訓知事が「奄美などを視察した際、台風時に離島の人たちが深刻な品不足で困っている話を聞いた。品不足をいかに解消するか、具体的な方策を話し合いたい」とあいさつした。

会議は非公開。会議後に会見した県企画部の田中完次長によると、各離島の市町村長らから、これまでの台風発生時の物資不足や、それに対する実際の取り組みや要望などが話題の中心だったという。

主に生鮮食料品が長期に渡って不足することや島外の医療機関を受診できないことなどが現状で挙げられた。具体的な対応策は備蓄だが、生鮮食料品を長期保存するためには冷凍設備が必要になる。短期的には冷凍設備の整ったコンテナ、非常用電源の確保、中長期的には大型船の接岸に対応できる港湾整備などが要望として挙げられたという。田中次長は「初めて十管や自衛隊、物流関係者が一堂に会して情報共有できた。次の台風シーズンまでに実務者レベルの協議を進め、具体的な対応策を考えていきたい」と話していた。