奄美空港19年乗降客数

搭乗客数が年間89万人を突破した奄美空港(資料写真)

年間89万人突破、最高更新
後半減、LCC未就航で

 県港湾空港課はこのほど、奄美市笠利町の奄美空港定期便の2019年(1~12月)乗降客数=速報値=をまとめた。総乗降客数は前年比4万3207人増の89万1990人(チャーター便除く)で過去最高を更新した。その半面、前半は堅調に伸びを見せていたものの、後半は格安航空会社(LCC)の未就航期間から月間客数の減少が顕著となっており、変動の激しさが表れた1年だった。

 昨年の月別集計をみると8月の9万3049人がトップ、全体数は6・5万~8万前半で推移していた。前年比では1~7月まで増加傾向。特に1月は7万2277人で、前年同月比1万5921人(28・3%)の伸びをみせた。一昨年7月から就航したスカイマークの奄美大島―鹿児島線の搭乗客分が増員を後押ししたとみられる。

 一方、8月以降は全ての月で前年比84~93%のダウン。延べ約3万6千人の足が落ち込んだ。

 その要因はLCCバニラ・エアの統合先となるLCCピーチ・アビエーションへの移管に伴い、奄美大島―東京(成田)線が昨年8月末、奄美大島―大阪(関西)線が5月上旬でそれぞれ終了。2路線ともピーチ社での就航を再開したが、未就航期間(東京1カ月、大阪7カ月半)がそのまま搭乗客数減につながり、特にLCC路線が空白だった9月は前年同月比1万2591人減と際立った。

 同空港乗降客数は12年の集計以降、右肩上がりが続いており、今夏を目指す世界自然遺産登録を背景に90万人の大台も迫る。同市紬観光課は「LCCの就航環境が整い、大台は到達できる可能性は高い」と期待感を示した。