群島タンカン品評会審査結果

L・2L階級で受賞したタンカン


2L階級で最高の金賞を受賞した元さん(瀬戸内町)

L藤村さん(大和村)、2L元さん(瀬戸内町)金賞
「糖度高く酸切れも良い状態」

 2019年度奄美群島タンカン品評会(奄美群島農政推進協議会、JAあまみ主催)は14日、審査結果が発表された。階級ごとに金・銀・銅賞(各1点ずつ)が選出され、最高の金賞をLは藤村秀久さん(大和村)、2Lは元克美さん(瀬戸内町)が受賞した。

 奄美大島、徳之島の7市町村から44点(L21点、2L23点)の出品があり、前日の13日に外観と内容(糖・クエン酸)審査が行われた。

 二日目の展示、表彰・審査講評は奄美市農業研究センターで。県・市町村の行政やJA関係者、生産農家も参加した。受賞者以外で、外観が当日の平均より上位のもので糖・酸のバランスがよく、ばらつきが少ないものに審査員特別賞(1点)、特に優秀と認める就農10年以内の農業者に奨励賞(同)が授与された。

 審査委員長を務めた県農業開発総合センター大島支場の德永太藏支場長は、今年度産タンカンの生育状況について「昨年は幸いにも台風の直撃がなく、収量、果実品質とも順調に仕上がった」と報告。品評会に出品されたタンカンについては「平均糖度はL玉で11・8度、2Lで11・5度で、前年とほぼ同じ値で、ここ数年、高い数字で安定している。クエン酸含有量は、全体の平均でL1・03%、2L0・97%で、酸切れも良い状態」と指摘し、「受賞された方々は、これを励みに今後ともさらによりよいタンカンを作っていただきたい」と述べた。

 農政推進協事務局・県大島支庁農政普及課の田中浩人課長が激励の言葉、「今年度産は比較的順調に生育しており、日頃の管理の徹底によるもの。高値で取引されることを期待したい。大島支庁としては安心安全で高品質の果実の安定生産に向けて消費者へのPRなど支援を積極的に行いたい」と述べた。

 2L階級で金賞に輝いた元さん(62)は出席し、賞状を受け取った。これまでL階級で銀賞や銅賞の受賞があるが、金賞は初めて。「念願の頂点に立つことができ良かった」と喜びを語った。元さんの果樹園は瀬戸内町の篠川にあり、面積は約6㌶。山裾の下場だが日当たりが良く寒暖の差があるという。糖度12度以上と高品質のタンカンを生産しているが、元さんは「薬剤使用は必要最低限にし、液肥使用を心掛けたことで樹の状態が向上した」と話した。

 なお、光センサーによる内容審査で糖度の最高はL階級12・7度、2L階級12・5度だった。

 審査結果(受賞者)は次の通り(敬称略)。

 【L階級】金賞=藤村秀久▽銀賞=大海昌平(大和村)▽銅賞=西田昭仁(奄美市笠利町)
 【2L階級】金賞=元克美▽銀賞=金城良平(奄美市)▽銅賞=玉野公和(大和村)
 【審査員特別賞】直島清剛(徳之島町)
 【奨励賞】新元幸子(徳之島町)