聴覚・発話障がい者の通報サポート

緊急通報が救急か火事かを選択するNET119の画面

大島地区消防組合 スマホ操作で119番
Net119、3月1日から

 大島地区消防組合消防本部はこのほど、聴覚や発話に障がいがあり音声による通報が困難な人への消防・救急要請をサポートする新システム「NET119緊急通報システム」を導入したと発表した。県内3番目で奄美群島では初めて。携帯電話やスマートフォンの画面を操作し、会話がなくても専用サイトから119番通報ができる仕組みで、運用開始は3月1日から。

 システムは、総務省消防庁が2020年東京五輪・パラリンピックに向けて導入を進めるもので、全国消防の普及率は約50%。全地球測位システム(GPS)で居場所が瞬時に特定できるため、音声での119番と同様に全国どこでも迅速に対応できる。

 緊急時には事前に登録した専用サイトにアクセスし、通報内容を「救急」「火事」から選択。チャット形式の画面で状況を伝え、救急車や消防車が現場に出動する。

 救急では、具合の悪い人が「自分」か「他の人」かを選択し、位置を確認して送信。指令室につながると、職員とのチャット画面に切り替わり「急病ですか、事故ですか?」「どこが痛みますか?」などの質問にタップ操作やチャット機能で回答し、詳しい状況を伝える。

 利用対象者は、同部管内(奄美大島、喜界島)の居住者で、聴覚や言語機能に障がいのある人や音声による119番通報が不安な人。事前登録が必要で、同部ホームページや各消防署・役場に設置のQRコードから、氏名、住所などを記入して申し込むと、専用サイトのアドレスが送られ、認証手続きを経てスマホなどの画面に登録できる。

 対応機種は、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどで、インターネット通信、電子メール送信、GPS機能が使える機器。スマホ・タブレットはアンドロイド5・0以降かiOS9・0以降、携帯電話は、SHA―2証明書とクッキーなどのシステムが必要になる。

 利用料は無料(通信料が別途必要)で現在、事前登録を受け付け中。同部総務課・藤田大介消防司令補は「事前登録していれば全国各地、観光客でも利用が可能。幅広く利用し、スムーズな通報に役立ててほしい」と話した。