沖永良部のコーヒー農園視察

コーヒーの実を説明する東さつきさん(中央)=和泊町=

 

「海外にも売り出せる商品」
鹿児島商議所商業部会 新商品の試飲も

 

 【沖永良部】鹿児島商工会議所商業部会のメンバー12人が21日、和泊町和字のコーヒー農園を視察した。メンバーは、農園を管理する沖永良部珈琲研究所の東さつき代表(48)=霧島市在住=から島内産コーヒーの魅力を聞いた後、コーヒーの実をまるごと焙煎した新商品の味を楽しんだ。

 同会議所商業部会では、部会委員の資質向上と新たなビジネスチャンスを見つけようと、国内外で視察研修を行っている。今回、商業部会委員研修会で東さんが講演したのをきっかけに島内視察が実現した。

 農園を案内した東さんは、コーヒーの木の生育状況や国産コーヒーの現状、沖永良部島で生産するメリットなどを説明した上で「国産の収穫量は非常に少ない。外国と同じくらいの量を見込むのはまだ先なので、どうやって付加価値をつけていくか研究してきた」と話した。

 試飲では、コーヒーの実をまるごと焙煎した新商品「果実の極」を紹介。メンバーは、香りと味を確かめながら、種子だけを使う通常焙煎との違いを東さんに質問していた。

 同部会の春田滋さん(76)は「コーヒーの木を近くで見たのは初めて。大きな島ではないのに、これだけ農地が広がっているのに驚いた」と笑顔。

 同部会の玉利佳久部会長(58)は「鹿児島にある豊富な食材の中でも県産コーヒーが一つの目玉になれば、ほかの食材と合わせた時の波及効果はかなり大きなものになる」と期待を込めた。

 東さんは「コーヒーは日本だけでなく海外にも売り出せる商品。露地栽培できるという利点を生かせば、島の活性化につながる。島外では大きな注目を浴びているので、島の人たちにも沖永良部産コーヒーの魅力を伝えていきたい」と語った。