3度目入札で落札業者決まる

市民交流センターの建設が予定されている旧名瀬保健所跡地

 

 

市民広場・立体駐車場と市民交流センター
2度の不調で着工大幅遅れ

 

 入札の不調が続いていた奄美市の「市民広場・立体駐車場整備工事」と「市民交流センター新築工事」の一般競争入札が28日、市役所であり、それぞれ違う共同企業体(JV)が落札した。両施設の入札を巡っては昨年7月以降、2回実施された入札で、いずれも市が見積もった落札予定価格と事業者側の入札価格に大きな開きがあったことから不調に終わり、着工が大幅に遅れていた。市は今後、開会中の市議会3月定例会に工事の請負契約関連議案を提出、可決されれば両施設とも4月に着工される。

 市民広場・立体駐車場整備工事の入札には、フジタ・松元・村上特定建設工事JVの1社が参加。同JVが10億8000万円(予定価格11億511万7千円)で落札した。市民交流センターには東急・前田・丸三特定建設工事JVの1社が参加、1回目の入札では入札価格が予定価格を上回ったため再入札が行われ、同JVが15億1900万円(同15億2052万1千円)で落札した。

 市民広場と立体駐車場は、同市名瀬幸町の旧庁舎と名瀬公民館跡地約2300平方㍍に、ウッドデッキなどの広場(1352平方㍍)と4階建て5層の立体駐車場(延べ床面積2657平方㍍)を整備するもの。当初計画では昨年7月に着工し今年3月に完成予定だったが、旧庁舎の解体工事が遅れたことや入札の不調が続いたことで、約10か月遅れの完成予定となった。

 市民交流センターは名瀬公民館の代替施設として、同市名瀬柳町の旧名瀬保健所跡地約3100平方㍍に、鉄筋コンクリート3階建て(同2869平方㍍)を整備するもの。1、2階には客席350席(2階席100席)の多目的ホールなどを整備、3階は多目室や工芸室など生涯学習施設を整備する。当初計画では、昨年10月に着工し今年11月ごろの完成を見込んでいたが、約6カ月遅れの来年春ごろの完成見込み。

 3回目の入札でようやく落札されたことに、市教委の福長敏文教育部長は「市民が心待ちにしていた市民交流センター着工のめどがたち、ホッとしている。多くの市民に不便と心配をかけてきただけに、一日も早い完成に向けて取り組んでいきたい」と話した。