沖永良部地区新型コロナ対策会議

新型肺炎への対応策を協議した関係者ら=沖永良部与論地区広域事務組合消防本部=

水際対策に重点
保健所と連携体制確認

【沖永良部】沖永良部地区新型コロナウイルス感染症対策会議が6日、沖永良部与論地区広域事務組合消防本部会議室であった。和泊、知名両町役場や島内の医療、介護、消防などの関係者約50人が参加。水際対策や感染者を確認した場合の対応策などを話し合い、保健所との連携体制を確認した。

会議の冒頭、伊地知実利和泊町長が「島民にしっかりとした状況を伝えられず、もどかしさを感じている。もしもの時に備えて離島での対応策を考えなくてはいけない」と呼び掛けた。

最初に、国内外の発生状況や国内の体制整備を確認。感染の有無を調べるPCR検査について徳之島保健所の松岡洋一郎所長は、先月7日に県環境保健センターに検査体制を整備したと報告。今月5日時点で87件を検査し、全て陰性だったと説明した。また、厚生労働省が4日、同検査を6日に公的医療保険の適用対象にすると発表したことを受け、「もう少し検査の窓口が広がり、検査件数も増えるだろう」と述べた。

質疑では、今井力夫知名町長が検査に要する日数や徳之島保健所での検査体制の整備について質問。松岡所長は「PCR検査に必要となる専用の機械が徳之島保健所にないため、現状では県環境保健センターに検体を送って検査しないといけない。検体は船便でしか送れず、1晩はかかってしまう。それから検査をする」と答えた。今井町長は「離島の状況を考えて、検査が1カ所でしかできないという体制を改善してほしい」と訴えた。

病院関係者からは「島内で発生させないために、人が集まる港や空港、ホテルに町が介入して対策を取った方がよい」「感染が疑われる人の搬送には救急車を使って欲しくない。車両の消毒に時間がかかり、救急搬送に支障をきたす恐れがある」などの意見が出た。

伊地知町長は「県内での発生はないが、宮崎や熊本、沖縄で感染が確認され、島民も不安に感じている。保健所に相談してきた住民には丁寧な説明をしてほしい」と要望。今井町長は「水際対策に重点を置くしかない。保健所と連携しながら、島民に確かな情報を伝えていきたい」と話した。

松岡所長は「感染を心配する人が医療機関に押し寄せる事態は避けたい。マスクや手洗いなど標準の予防対策が重要だという点を島民に周知してほしい」と語った。