「島立ち」若者にも重ね「想いよ、届け。」

徳之島高校美術部員たちが制作協力した力作に感動。作品と徳之島町の関係者(提供写真)


「想いよ、届け」―高校生たちの制作風景(提供写真)

徳之島高美術部 東京オリパラ壁画制作

 【徳之島】県立徳之島高校美術部(平野良光顧問、赤﨑祐斗部長ら部員10人)がこのほど、アートマイル国際協働学習プロジェクト「東京2020オリンピック・パラリンピックの参加国・地域の子どもたちと協創する未来」への協力作品『想いよ、届け。』を制作した。同東京大会に合わせて、都内の公園などで壁画展示される。

 同プロジェクトは、東京オリパラ大会に参加予定の世界206の国と地域の絵画(壁画)作品を一斉に展示する企画。SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに、世界の課題について学び合い、その国・地域を表す壁画を単独で制作するもの。「セントビンセント及びグレナディーン諸島」とホストタウン交流を行っている徳之島町が、地元徳之島高の美術部に依頼した。

 卒業式を控えやがて島を離れる赤﨑部長ら3年生たちも交えて構想を練り、1月中旬から共同制作に着手。作品(壁画用)のサイズは縦1・5㍍、横3・6㍍。寸暇を惜しんで力を合わせ先月下旬に完成。町当局はこのほど依頼者(一般社団法人ジャパンアートマイル)に発送した。

 作品の『想いよ、届け。』に、美術部員たちは「遠く離れた場所で戦う選手たちの活躍や健康を願う、故郷の家族や仲間たちの姿をイメージ。多くの若者たちが一度は『島立ち』をしていく徳之島でも、距離を越えて、互いを想う。国や文化は違えども、人々の絆や思いやりに共通点を感じた」。構図の配色はセントビンセントの国旗から青・黄・緑を重視。選手や若者たちが力強く泳ぎ、走り、飛躍する姿を描いた。

 依頼した徳之島町企画課の担当者は、県内高校美術展「大賞」などトップレベルの同美術部員らの力作に「驚くほどの感動を覚えた。交流会を含めご協力に感謝します」。東京オリパラ大会を通じた壁画展示(会場未定)終了後、町内でのセントビンセント関係者らとの交流会時に地元でも展示するという。