徳之島地区新型コロナ対策会議

官民一体で水際対策を検討した徳之島地区新型コロナウイルス感染症対策会議=17日夜、徳之島町役場

 

 

医療現場「発熱外来対応」に戸惑い
官民で水際対策
大型連休・闘牛中止要請も

 
 
 【徳之島】徳之島地区新型コロナウイルス感染症対策会議(同3町主催)が17日夜、医療など関係機関・団体の代表らを交え徳之島町役場であった。同感染症対応フローをはじめ水際対策への基本事項を再確認。医療現場の悩みに徳之島保健所は「万が一感染者が出ても封じ込めは我々が。パニックにならないで欲しい」。クラスター(集団)感染防止の一環で大型連休・闘牛大会の開催中止も要請した。

 同3町行政レベルの同感染症対策会議(先月21日)に続き、官民の関係機関・団体が一丸となった水際対策の強化、感染者の発生時の連携対応などを目的に呼び掛けて初開催。徳之島保健所の松岡洋一郎所長をオブザーバーに交え約30人が出席した。

 県の対策状況を説明した松岡所長は「感染者の約80%が軽症。万が一感染者が出ても過剰に心配することはない」とも。イタリアの医療崩壊も例に、混乱防止の大切さも強調。医療現場からはマスクや消毒液(アルコール)不足が続いている悩みも挙がった。

 対応フローの「風邪の症状や37・5度以上の発熱が4日間以上継続」した場合の相談基準に関連。医療関係者は「インフルエンザB型が流行。インフルか普通の風邪か経過をみて対応。風邪症状の人すべてを新型コロナ疑いでは診ることができない」現状への指摘も。

 松岡所長は「疑われる場合は、基本的にはまず保健所に電話を」。疑いのある人や軽症者の自宅待機措置による院内感染の防止、人工呼吸器が必要な重症者が入院できない事態の「医療マヒ」回避の重要性なども強調。

 その上で「島内で(感染者が)1人発生しても、すぐに広がるわけではない。接触者を把握して我々が封じ込める。パニックにならないことが大事」と強調。さらに「感染者も被害者」。差別の人権問題にもつながる〝感染者探し〟などのない意識啓発も要請した。

 クラスター感染防止では、ゴールデンウイーク恒例の闘牛大会(5月場所)の全面中止を要請。徳之島闘牛連合会は18日夜、役員会を開きその方向で一致。23日の同理事会に諮るという。