「ウムイの鐘」響く

思いを込めて与名間ビーチに登場した流木アーチ「ウムイの鐘」(里山さん親子)=22日、天城町


「ウムイの鐘」の響きが絶えない与名間ビーチ

天城町与名間ビーチ 流木アートが話題に

 【徳之島】「すべての人々の幸せを願う思いを込めて…」。天城町与名間海浜公園(与名間ビーチ)に、海水浴場など海岸に漂着した流木を拾い集めて手作りした流木アーチが登場。その名も「ウムイ(思い)の鐘」。来訪者たちがそれぞれの思い込めて、「カーン、カーン」とこだまさせるなど、早くも話題を呼んでいる。

 島口をもじった「ウムイの鐘」の発案・制作者は、同町B&G海洋センター所長の里山浩一さん(48)ら同センター指導者会のメンバーたちだった。場所は同センター艇庫・カフェ施設の前方、海水浴場に突き出た〝人工出島〟の先端。高さ・幅とも約3㍍の流木アートの大作だ。中央には「思いを伝える」釣鐘をあしらった。

 「流木は〝海からの贈り物〟とのイメージも。夏は海水浴場としてにぎわうが、ちょっぴり寂しくなるこの時季の集客の一助に」と里山さん。そして、「みなさんに幸せになって欲しい。就職・進学で旅立つ子どもたち、カップルの永遠の愛、家族の健康―すべてへの思い(ウムイ)を込めた」という。

 流木は約3カ月前から手分けして拾い集めた。着色など華美な装飾は一切せずに、天然の素材の素朴な色合いにこだわった。台風に耐えられるよう基礎部の木製骨材は深さ約40㌢を確保した。新型コロナウイルス対策の施設休館中(今月3日~22日まで)の時間も有効活用した。

 旅立ちを前に友だちとの思い出づくりで訪れる高校生や若いカップル、家族連れの間では、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も通じ話題を集めている。

 ちなみに流木アーチの本体には〝隠し絵〟的に枝で組み合わせた「3個のハートマークが隠されている」という。