〝100円弁当〟販売でにぎわい

自ら店頭に立ち100円弁当を販売した屋崎さん


ボランティアスタッフらが朝早くから準備を行った(提供写真)

「子ども達の元気な姿に感無量」
丸屋レストラン「こどもたぬき食堂」

 瀬戸内町古仁屋の丸屋レストランが運営する「こどもたぬき食堂」(代表・屋崎聡子さん)は23日、同レストラン前で子ども達に向けて“100円弁当”を販売した。同町内の小中学校はこの日、午前中のみの授業で給食がなかったことから、保護者や下校後の子どもたちでにぎわった。屋崎さんは「子ども達の元気の姿を見られて感無量。保護者からの感謝の言葉を力に、今後も地域のためになりたい」と語った。

 同子ども食堂は2018年からレストラン内の宴会スペースを利用し、月1回程度開催。子ども達が楽しみ、保護者が自分の時間を持てるよう支援することを目的とする。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当初は3月開催中止を予定。しかし、「休校期間中に小学生が小銭を握って弁当を買う姿を見て、なにかしなければと感じた」という屋崎さんの思いから今月17日に弁当販売を決めた。150食を用意し、50食を予約購入分としたが、予約枠を超える問い合わせがあったという。

 この日はボランティアや同店アルバイトら6人が調理。弁当箱にはエビフライ、ポテト、ハンバーグなど子ども達の好きなメニューが詰められた。

 感染症予防のため販売スタッフはマスクを着用し、売り場には消毒液を設置。正午の販売開始直後は、仕事の休憩時間を利用して弁当を購入する保護者が、学校が終了した午後0時半以降は、下校後の子ども達が大勢訪れた。

 下校中の古仁屋小4年の羽田永愛=とあ=さんとともに訪れた母・美奈さんは「休校中から家事負担が多かったので助かる。とてもありがたい」。永愛さんも「好きなものがいっぱい入っている。食べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 同町教育委員会によると、給食時間は子どもが集団で食事する可能性が高く、食事の際にマスクを外す必要があるため、この日の給食を自粛。「共働き家庭などもある中、民間のこうした取り組みはありがたい」とした。