奄美空港にサーモグラフィー

サーモグラフィーの画面を調べる県職員(奄美空港)

一定以上の温度測定でパンフ配布
県、水際対策と不安払しょく

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止で。県は23日、奄美市笠利町の奄美空港到着口にサーモグラフィー(検温)を設置した。カメラの前を通ると画面に人影が映り、体表面の温度を色で表示する仕組み。県職員は来島した乗客の一人一人の発色を確認した。

 県は新型コロナの緊急対策方針の中で、離島の空港・港湾のサーモグラフィー設置を決めた。対象は奄美空港、屋久島空港、種子島の西之表港。観光客など入込が多い施設を選定した。

 西之表港も同日設置、屋久島空港は近日設置する見通し。取り組みの終了時期は未定だが、各施設で担当職員2~3人が常駐する。

 取り組みは、乗客の到着口に機材を終日設置し、県職員が一人一人表示された画像をチェックする「スクリーニング」を実施するもの。一定以上の温度を測定すると、画面上の人影が白く映る。その場合、当事者にウイルス感染の症状や保健所の連絡先を記載したパンフレットを渡し、関係機関への相談を呼び掛けるという。

 奄美空港では福岡発午前8時15分着の1便からチェックをスタート。同日午後5時までのパンフレット配布実績はゼロだった。

 離島は県本土に比べて医療体制が整っていない。今回の対策について、県は水際対策と住民の不安払しょく解消の両面を図る狙いがある。藤田正之・県大島支庁建設課長は「感染拡大の防止策として、施設利用者に対し、協力と理解を求めたい」と述べた。

 この日到着した名瀬の女性(55)は「ウイルス対策は全国的な課題。できる限りの対応を行ってくれると、住民も安心できるのでは」と話した。