群島各地で小学校卒業式

新型コロナウイルス感染拡大防止のための規模縮小に伴い在校生や来賓の出席がなかった卒業式(24日、奄美市名瀬奄美小学校)

規模縮小・時短でも門出祝う
在校生不在「寂しい」

 県内の多くの小学校では24日、6年生の門出を祝う卒業式が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、奄美群島内の各校では規模縮小・時間短縮などの措置が取られた。奄美市名瀬の奄美小学校(吉峯進校長)はこの日、第95回卒業式を挙行。在校生や来賓の出席を取りやめるなど例年とは異なる装いとなったが、子ども達は学び舎への感謝と中学生活への期待を胸に、式に臨んだ。

 新型コロナウイルス対策として、保護者へのマスク着用呼び掛けと会場入り口への消毒液設置等を実施。また、入退場の省略と座席間隔の確保のため、花道のない異例の座席配置となった。

 このほか卒業証書授与をクラス代表生徒1人ずつの計3人に変更したほか、祝電披露やPTA会長による祝いの言葉、記念品の授与・贈呈をカット。2時間程度を予定した式は50分程度に短縮された。

 吉峯校長は「新型コロナウイルスが猛威を振るい、卒業式の開催が危ぶまれたが、開催されたことを皆さんとともに喜びたい。世界中がウイルスと闘っている中、縮小開催は私たちにできることとしてとらえてもらいたい」。ウイルスと闘った研究者として、野口英世の功績などを紹介し、「皆さんには卒業を機に、将来の夢や中学校での目標を考えてもらいたい」と呼び掛けた。

 卒業生の「お別れの言葉」では、本来5年生の生徒との掛け合いも予定されていたが、省略。合唱を交え教員や保護者に感謝を伝えた。卒業生の中勝汰朗くん(12)は「卒業式ができたことはうれしいが、5年生がいないのは寂しかった。卒業証書も自分の手で受け取りたかった」とコロナウイルスの影響を指摘したが、「中学生になったら部活や勉強を頑張りたい」とも話した。