蔵見学GW明けまで休業延長

閉鎖延期を決定した里の曙レセプションホール

町田酒造 「目先の利益より安心安全を」
売り上げ弱含み、「家飲み需要」喚起も

 龍郷町の町田酒造㈱(中村安久代表取締役社長)は24日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同本社敷地内「里の曙レセプションホール」の閉鎖と蔵見学の休業期間を、ゴールデンウィーク(GW)明けの5月10日まで延長することを決定した。中村社長は「目先の利益より、お客さまの安心安全の確保を優先したい。従業員の不安や心配を解消する意味でも“社員ファースト”を掲げている社として必要なこと」と語った。

 同ホールと蔵見学は今月16日から閉鎖・休業し、4月の再開を予定していた。しかし蔵見学利用者の8割以上が島外観光客。また、奄美大島が新型コロナウイルス非感染地域であることから、予定を変更し来島する利用者なども多く、同社は施設の“クラスター感染源”化を懸念。24日に臨時取締役会を開催し、休業延期を決定した。4月以降の予約についてはキャンセル対応を取る。

 春休みからGWまでの期間の見学者が多いことから5月10日までの休業とするが、状況に応じてさらなる延長の可能性もあるという。同施設の従業員については休業させず、ラベル貼りやビン詰めなどの業務に従事。また、同社は休業延長を公式ホームページやSNSなどで広報している。

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 「足元の売り上げは確実に弱含みつつある」。蔵見学のみならず、新型コロナウイルスの影響は広がると中村社長は指摘する。同社の主要な輸出先の米国、中国では飲食店が休業。日系人が帰国したことから日系レストランも開店していないという。

 また、国内でも都市部の飲食店の経営悪化・廃業などが起こっているとのことで、「マイナスの影響はボティーブローのように効いてくると想定している。最悪の経済状況となるシナリオを描き、スピード感を持って対応したい」と中村社長。同社は今後、飲み会自粛などの影響低減のため、「家飲み需要」の喚起や、取引先への売掛債権管理強化などの対応を取るとしている。